青の祓魔師

燐女体化です。
とりあえずこの小説の燐♀設定としては貧乳お姉ちゃんです。
女の子だけど「くん」付けで呼ばれています。
志摩がちょっと壊れ気味ww
雪男も壊れ気味というかなんというかww
とりあえず何があっても大丈夫だよという人だけ下にどうぞ!









「落ちてたよ」

そう言って風呂上りの雪男が差し出した物に俺は大慌てした。
雪男の手からそれを奪い取る。
それとはつまり俺の下着。
ちなみに愛用のスポブラとボクサー型のパンツ。

「ななななななっ!?何で俺の下着持ってんだよ!?」

「だから落ちてたんだって、廊下に」

どうやら俺が風呂に入って部屋に戻ってくるときに落としたらしい。
「拾わないほうがよかった?」なんて呆れ顔で自分の席に座る弟。
その顔には恥じらいもクソもない。

「…お前、俺の下着見て何も思わねえの?」

普通思春期の男が女の下着見たらもっと顔を赤くさせたりとかある筈だ。
なのにそれが全然ない。

「そんな色気のない下着見て何を感じろって言うのさ」

「なっ!?」

「それに毎晩見てるし。触ってるし」

「ななっ!?」

「姉さん、そういう下着しか持ってないよね。色気ない」

「なななっ!?」

「色気ない」

「二回も言うなっ!!」

色気がないって二回も連続して言われた!合計すれば三回!!!
女としては地味にグサッとくる言葉なんだぞ。
俺が傷ついてる間、傷つけた張本人は素知らぬ顔でパソコンを起動させている。まあ、確かに俺の下着はこのタイプの奴ばっかだし、適当に買ってる奴ばっかだけど。
だからって色気がないってなんだ。色気がないって。
この超絶お色気たっぷり姉ちゃんに向かって!!

「ねえ、いつまでその下着持ってるわけ?」

指摘されて俺は慌てて握っていた下着を背中に隠した。
ついでに雪男を睨みつけてやるが効果は全くないようだ。

「…ほ、本当は見れて嬉しいんじゃねえの?むっつりメガネ君よ」

ほらほら本音を言ってみろと俺は大人の余裕とやらを見せてやる。
顔が熱いとかいうのは気のせいだ。絶対に気のせいだ。

「そんないやらしさの欠片もない下着、する時以外で見ても嬉しくともなんともないよ」

まったく興味が無いと雪男はそれはもう爽やかな笑みでそう言った。
悔しい。なんだあの余裕は。なんだあの笑みは。
しかもなんかアレ、する時以外とか…なんか恥ずかしい単語まで入れてきやがって!!
そこで俺は決意する。

(絶っ対にギャフンと言わせてやる!!)










燐はそう深く決意した。

ちょっと暴走しがちに






「弟を負かしたい」

俺は高らかに塾でそう宣言した。
勝呂、志摩、子猫丸、しえみ、出雲、シュラ。その六人の前で。

「無理や」

だけど俺の高らかな宣言は勝呂によって即座に否定された。
シュラは爆笑し、京都組としえみは苦笑い。出雲は呆れ顔とそれぞれ色んな反応をしている。

「なっ、なんでだよ!?」

「あの最年少の天才祓魔師の先生にどこをどうやったらお前が勝てるいうねん」

「ちっがう!!今回は祓魔師とかは関係ねえっ!!人として、姉ちゃんとして、女として負かしたいんだ!!」

「…どういう意味や?」

「あいつに“姉さんは色気たっぷりで困るよ”って恥らいながら言わせたい!!」

「無理や」

「テメッ、それはどういうことだ!?」

まさかの二度目の否定。まるで俺に色気なんて皆無と言うよだ。
あれ、なんかこれデジャブ。
空気が険悪になってきた俺と勝呂を見かねてか、志摩が間に入ってきた。

「いやいや、奥村君かてよう見れば可愛らしいやんか。色気の一つや二つあるて」

「おおっ、さすが志摩!イイコト言うな!!」

「そやろ、俺はいつかて女子の味方やからな!」

「それじゃあ、俺の色気ってなんだ?!」

「…え?」

「一つや二つあるんだろ?」

俺は期待した目で志摩を見た。
だがなぜか志摩は目を逸らし、冷や汗を垂らして顔色が悪くなっていく。

「…む、胸?」

「俺、おっぱい小さいぞ」

「……八重歯?」

「コレ色気って言うのか?」

「………ごめん」

「なんで謝るんだよ!?」

そんなに俺って色気がないのか!?エロさがないのか!?
志摩の肩を掴んで揺さぶってみるがごめんとしか言葉は出てこない。
それをしえみが慌てて止めた。

「あの、燐、大丈夫だよ!燐はとっても魅力的だよ!」

「マジでか!?」

「うん!スカートの事とか気にせず全力疾走で走れるぐらいいつも元気だし、ちょっと口調が乱暴で動作がガサツな所もあるけどお料理が上手だし、すごく魅力的だよ!」

「…なんでだろ、褒められてるのか貶されてるのか分かんねえ」

しえみに悪気がないのは分かっている。
だけどこれでは喜ぶに喜べない。
志摩が俺の肩にぽんと手を置くと「俺の胸でお泣き」と両手を広げる。
止めろ、そんな慰めるみたいな事やるな。
ムカついたから脛を蹴ってやった。志摩が床で一人痛みに悶える。

「分かったやろ、お前は男らしすぎるんや。色気なんて無い。諦めろ」

「ウガアアアア!!なんだよ、なんで皆してそう言うんだよ!?」

俺にだって一つや二つ探せば在る筈なんだよ!
ただ今はちょっとその色気とやらが休憩中なだけで…。

「あの〜、すいません…話の腰を折って悪いんですけど…」

そろそろと控えめな動作で手を上げる子猫丸。

「霧隠先生が…」

子猫丸が言うので俺と皆はシュラのほうに視線を向ける。
するとシュラは………ものすごい笑ってた。
身体は震えて、両手で口を押えて笑い声を漏らさないよう必死で涙目になっている。

「くっ、…ぷ、ぷぷ…」

「お前、失礼な奴だな!人のこと笑ってんじゃねえぞ!!」

「…ぷっ、にゃははははははは!!もう、ダメだ!お前、色気ゼロって!!にゃはははははは!!」

クソッ、しまいには俺を指差して笑ってきやがった。
なんだか無性に恥ずかしくて俺は頬を染めながらも怒った。

「俺だってな、やれば出来るんだ!エロイ姉ちゃんになれるんだよ!」

「にゃはははは、は…はぁ、はぁ、…ふう…あ〜、笑った。んで、エロイ姉ちゃん」

「な、なんだよ」

「どういう経緯でそう言う事になったのか言ってみな?」

「え、なんで?」

「いいからいいから」

「えっとだな…」

そこから俺はムカツク弟の言った数々の不愉快な発言を教えてやった。
もちろん色々とヤバイ場所は抜いてだ。
ある程度説明し終えるとやっぱ言わなきゃよかったと後悔した。

シュラ、撃沈。

身体全部を酷く震わせて、腹を抱えて声も出ないと言う状態で笑っているからだ。
そんなに面白いか、そんなにも面白いか。俺の色気ゼロのお話とやらは。

「ひっ、…あご、いて…腹も…」

「あー、そうですか」

俺はもう自棄だった。
こいつ、俺がこうなった経緯とやらは笑えるだろうと踏んで聞いてきやがったな。
俺がこんなにも苦しんでるっていうのに、なんて酷い奴だ。

「…おい、勝呂。なんでしょぼくれてんだよ?」

「…なんで同じ塾生の下着を知らなアカンねん」

「なんだよ、落ち込むんじゃねえよ!喜べよ!!」

「喜べるか、ドアホ!!」

「そして志摩!!お前はなんで泣いてんだ!?」

そう、志摩は泣いていた。
声を漏らして泣くでもない、ただ涙だけをすうっと真顔で流す静かで不思議すぎる泣き方だった。

「…これは、これは奥村君のための涙やない」

「お、おお」

「これは奥村君のおっぱいやお尻があまりにも可哀想すぎると思って出た涙やっ!!」

「え、ええ〜…?」

なんだその気持ち悪い涙はと言ってやりたくなる。

「奥村君!!アカン、アカンわ!!なんで自分の身体にそないな仕打ちするんや!?」

「し、仕打ちって、別に何もしてねえだろ」

ずいずいと志摩が俺の前に詰め寄ってくる。
静かに泣きながらだからなんか怖い。

「おい、志摩。お前どない…」

「坊は黙っといてください!!」

珍しく坊に声を荒げる。
滅多にない事に勝呂はどうすればいいのかという状態だった。
皆も志摩に圧倒されてか動けないでいる。

「もうええ歳なんやから、可愛い下着の一つや二つ、なんで付けたげへんねん!!」

「だっ、だって…面倒くせえし」

「なんでめんどくさいなんて言うんや!!女の子がそんな事言ったらアカンねん!確かに世の中にはそれでもいいて言ってくれる男もおる。やけどアカンねん!そもそもそないな下着ばっかりつけてたら形やて崩れるやろ!?小さいだけでなく形までアカンくなるて、奥村君はおっぱいとお尻に失礼や!!いや、おっぱいが小さいのはええねん。小さいのが好きっていう狼さんもおるさかい。そやけどせっかく男の夢と希望を乗せて生きてるっていうのに、なんで奥村君はおっぱいとお尻にそないな仕打ちをするんや!!」

涙ながらに俺に詰め寄り語る志摩。俺はもう何が何だか分からない。
とりあえずこいつがこれだけ言うということはそれほど譲れない何かがあったのだろう。おっぱいや尻について。
皆も志摩の鬼気迫る様子に口を挟めないようでいる。

「いくら小さくてもそれは奥村君のおっぱいでありお尻なんや!!毎回サイズも知らんと適当に済ますとか、そないなこと、おっぱいに対する冒涜や!!お尻に対する侮辱や!!」


「いや、あの…てか小さいって」「買いに行こう!!今度の休み、直ぐにでもランジェリーショップに行くんや!!そいでめちゃカワのエロイ下着買ったらええよ!!」

「えっと…」

「そしたら若先生かてメロメロや!!鼻血かて吹き出す筈や!!」

「は…鼻血って、マジでか!?」

「大マジや!!」

「なら、俺はやるぞ!」

「おお!!その意気や、それで奥村君の魅力も引き出される!!」

「志摩!!」

「奥村君!!」

鼻血まで出すと言われたらやるしかない!
俺と志摩はお互いの右手をガッシリ掴んだ。
決意する俺、涙する志摩。なんとも言えない連帯感が俺たちの間に湧き上がる。

「…馬鹿ばっかり」

皆が呆然と二人を見る中、(一人は爆笑)最中何も喋らなかった出雲がそれだけをポツリと呟いた。

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