..xx 奴隷生活、はじめます xx..




秀でる能力や華やかな容姿など何一つとして取り柄がないのに、ただ令嬢というだけで周囲から特別扱いされる。

だが家ではその事をよく理解されているため邪魔者扱いだ。


(…ただ普通に暮らしたいだけなのに)


都内にある有名私立高等学校に進学し、1年が経った。

進学と言っても幼稚園からエスカレーター式なので、大した受験など無かった。
もし受験があれば自分の頭では試験に落ちるだろう。


「お母さん、帰りにお菓子買ってくれる約束したの覚えてるよねぇ?」
「はいはい。じゃあ体育館の隣にあるスーパーで買って帰ろうか」


手を繋いだ親子連れはそんな会話をしながら、楽しそうに横断歩道を渡っている。


そう、今日は日曜日。
しかも夏休み真っ只中である。

世間のほとんどは休日の中、私は制服を来て帰宅中である。

夕方まで特別講習に参加していたが意味不明な数式や外国語を聞いただけで、結局わからないまま定時になってしまった。


帰宅したら夕食、お風呂、復習、明日の準備の流れだ。


『はぁ………』


重いため息をつき、夕焼けが眩しいほど照り付ける紅葉通りを歩く。
紅葉は青々とした緑の葉をこれでもかという位に風に靡かせている。


紅葉の木々が切れると、階段が現れた。


(遠回りになるけど、車道沿いより涼しいかも…)



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