(―――あ、遥っち!)


帰宅途中にビデオレンタル店に寄ると、棚の前でDVDを2本持ったまま唸っていた。
何を借りるかで悩んでいるようだ。


『この鋭さがたまらないな〜。でも自然の雄大感も捨てがたいしなー』


結構な時間ここにいるようで、店員からの視線が痛い。

お店の人のためにも声をかえけて、さり気ない退出を促そう。


「遥っち〜!休日に会えるなんて運命的っすね!何悩んでるんスか?」

『黄瀬君!調度良いところに!』


どっちがいいと思う、と手に持っているDVDを見せてくれた。


1本は某恐竜パニック映画。
確かに自然の雄大感が溢れる作品ではある。

もう一つは13日の某曜日。
確かに鋭さがある事に間違いは無い。


てっきり、最新作の恋愛映画やアクション映画で悩んでいるものだと思っていた。


「……どっちも嫌っす」

『よし、じゃあ両方借りよっか』


グロさ満点な映画に真剣に悩むとは、正直ドン引きしたい。
だが、好きな女の子相手にそんな事できるわけがない。


「…遥、かっこいー!」


頑張ってテンション上げてみた。


やれば出来るじゃん!
オレっち最高!

と、心中にて絶賛自我自賛である。


『黄瀬君も一緒に見る?』

「……遥っち、大好きー!」


新たな一面が垣間見えたとある休日の出来事であった。


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