..xx キセキの女子力 xx..
「今日の反省会は遥っちの家でやりたいッス」
練習試合が終了してベンチで一息ついてる中、黄瀬がその一言をもらした。
以前から訪問したいと言っていたがずっと断り続けている。
その都度叱られた子犬のように萎れる彼に"来る?"と言いたくなったが我慢してきた。
見せられない原因というのは自分にある。
掃除したり片付けたりしなければならないのに、分かっていても毎日継続する事が出来ないのだ。
『ぇ゛ー…あー……』
今日の試合で人一倍頑張っていた彼の頼みを断れるのか、自分。
このタイミングで言おうと最初から計画していたのだろう。
効果は絶大だ。
「ダメ…っスか?」
他のメンバー達の視線が痛いほど突き刺さる。
何も言わないという事は彼らも同様の意見なのだろう。
彼だけならいいかもしれないと流されかけた自分、削除。
『………〜〜〜〜っ、ダメダメ!絶対ダメ!!!!』
捨てられた子犬を乗り越えた自分を褒めたい。
黄瀬君からは舌打ちが聞こえたが、聞かなかったことにしよう。
「たまには黄瀬のいうことを聞いてやってはどうだ、下僕。」
『ダメったらダメです』
赤司君を断るのは、心は痛まないが魂が痛む。
だがここで頷けば、先程黄瀬君を断った努力が無駄になってしまう。
『絶対ダメです。ダメなものはダメです』
「………まぁいい。明日はいつも通り朝練をするから遅刻しないように。今日はこのまま解散だ」
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