正十字騎士團の日本支部。 それは正十字学園の地下にある。 そして。 俺、奥村燐ことサタンの仔は”オペラ座法廷”にて地下牢獄で当面監禁という処置に至った。 それも幾重にも結界を張られた、最も厳重管理された最奥の牢獄だ。 普段なら見張り役としてエクソシストが就くのだが、燐の場合は数台のカメラで常に監視される。 誰も近寄りたくないし、近寄らせる訳にはいかないのだと、牢獄への運び役を任された現聖騎士のアーサー・O・エンジェルが口にしていた。 (人に悪事を行う気などサラサラないのに) その場では、ただ唇を噛み締めることしかできなかった。 ――全てはサタンの青い炎を受け継いだばかりに…。 ..xx road:P xx.. オペラ座法廷後、その場で手足に拘束具を施錠された。 対悪魔用の拘束具は燐にも効果を現し、立ち上がることも困難で地面に倒れるしか術はなかった。 法廷中に『サタンの仔にも通用するのか』と喚起が湧き起こる中、更に、首や尻尾にも装着された。 ガラス球体の付いたレザー製ベルトで、きっとこれも対悪魔用なのだろう。 その場で効力を試される事は無かったが、もし何かあれば発動させるはずだ。 一連の作業が終わると、閉廷の合図が響く。 尋問官の指示により、アーサーは燐を担いで地下牢獄へと向かった。 学園理事長のメフィスト・フェレスも。 上級監察官を担う霧隠シュラも。 下手に口を挟めば燐を庇うと見なされるため、両者とも判決に対して言葉を発する事は無かった。 シュラは何か言いたげな顔で何度かこちらを見ていたが、結局話す機会は訪れず、門は閉ざされる。 |