「わー堀さんちすごいね、笹なんて用意してなんか本格的!」
「んー創太が結構こういうの好きみたい。だからお母さんも張り切っちゃって」
今日も宮村は家に来ている。クソ親父がいなくてよかったわ!
いたらまた面倒だっただろうし。
「堀さんは?何書く?」
「えっ私は書かないわよ?」
「折角だし書こうよ、ほら」
「あーっちょ、勝手に名前書かないでよ!しかも堀さんって…アンタ以外家は皆堀さんよ!」
「あっそっか」
失敗しちゃったなーなんて困ったと苦笑を浮かべる宮村。なんだか、短冊を持っているせいかいつもより幾分か幼く見えた。
「いいわよ裏使うから。…さて、何書こうかしら」
「よし、俺はもう書いたよ」
にこにこと笑顔を浮かべ、笹の葉に願いをくくりつける。あまりにも、普通だ。
「見せなさい」
「あっ…堀さん見ないで…」
「早かれ遅かれどうせ見るわよ。なになに…堀さんと…ずっと…………………」
「痛っ ちょっと、蹴るのは流石にひどいよ!」
「バカね」
思わず笑みがこぼれた。
こんなの、わざわざ願わなくても…………………
大丈夫、ずっと隣で笑っていよう
100707
即興七夕ネタ宮堀
この二人は掛け合いが楽しいね、書くのが楽しい。
宮村のことだから真顔だっただろうな
―日記より。