※キャラ…というか人格崩壊
※狂愛、酷い表現
※超鬱ENDと直井の外道さに管理人もびっくりなレベル








愛してます音無さん。そう囁けば動かなくなった筈の左腕がぴくりと反応した気がした。気がしただけで、本当に動くはずはないが。否もしかしたらまだ彼は死んでいないのかもしれない。…元々死んだからこの世界にいるわけなのだが。それでも、死んではいるが生きている。そんな中途半端な存在だ、僕たちは。だからこうしていくら胸を刺そうが脳髄を破壊しようが、また生き返るのだ。そう、音無さんは優しいから僕が何度も何度も何度も何度も殺してもすぐに戻ってきてくれる。僕はその度に音無さんの胸を貫く。もう両手じゃ足りない。数えきれない程にこの行為を繰り返している。音無さんが愛しい。音無さんの全てが愛しい。音無さんはあかいひとだ。音無さんは血がとても似合う人なのだ。鮮やかな血液に音無さんの綺麗な髪と瞳は血に映える。それがとても美しくて綺麗で嗚呼堪らなく愛しい。僕は音無さんが大好きだ。音無さんが大好きで大好きでたまらない。50回はとうに越えた頃だろうか、目を覚ましても何も言わなくて、ただ僕を見つめるだけになり始めた。いくら刺しても何もなかったかのように綺麗になる傷。とても寂しいものだった。だが、本当に僕を見つめるだけになってしまった。幾ら傷は治っても、音無さんの瞳には光が戻らない。体温が冷たい。すごく冷たい。どうして。音無さんは優しいから。音無さんは優しい。優しい。優しい音無さん。僕に言葉をくれた音無さん。言葉を…くれた…?どうして、どうして今は何も言葉をくれないの?音無さん…。暫くすると、音無さんの目から涙が流れた。どうして…?どうして泣いているんですか、音無さん…悲しいの?悲しいんですか?


音無さんが泣いているから、僕は手で涙を拭おうとした。


のに。



ずるりと嫌な感触で滑り、べっとりと血が音無さんの顔に彩られる。赤い赤い音無さんの血。涙を拭おうとしたのに…綺麗な赤で音無さんは汚れてしまった。



僕には、もう、音無さんの涙も拭えないのか。



刹那、身体に衝撃が走り急に目の前の血を恐ろしく感じて、悲鳴をあげた。


「う…うぁ…うわぁあああああああああ!!!!!!!!ああああっ…」


指が、足が、体の全てが震える。


僕は、僕は、何をしていたのだろう。
苦しい、すごく、苦しい。きっと音無さんはもっと苦しい。何度も喉を貫いたこともあったから息が出来なくて、きっと、きっと、苦しかっただろう。

呆然と空に視線を泳がせていると、僕の下にいる音無さんは震えた声で

「…なお…い?」
「音無さん…」


僕の名前を呼んだけれど、どうすることもできなかった。

もう許されようがない罪を犯してしまったのだ。



朦朧としているのだろう。焦点の定まらない目で音無さんは僕の目を探している。ひゅうひゅうと、痛々しく音無さんの喉は鳴いていた。


僕はただただその場に座ることしか出来なかった。





(ごめんなさい音無さん)
(愛してます)


僕は最低な奴だ。
心の中で自身を罵りながら、僕は光に消えた。


最後に脳裏を過ったのは、あの時に僕を強く抱きしめている音無さんと、とても幸せそうな表情をしている僕だった。






100810

もう謝るしかないです。ヤンデレを書きたかったのに…これはヤンデル…。初めてこういう…救いようのないお話書きました…。
並行世界というものがあるなら、他の直井はもうきっと間違えないはず。
悲しくて恥ずかしいので、そのうち大幅な加筆修正か消しちゃうかもです。うー直井大好きだけど、最低な奴にしてしまってすみません。

でも前々から書きたかった「死んでも生き返る」設定をいかしたかったので書けてよかったー!
しっかし生き返ってはまた殺され…なんて繰り返し痛いなぁ。ヤな話…ですね(
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