「いーずみくーん」


聞き慣れた声。
あぁ、また勝手に部屋入ってきやがって。
あのオレンジめ。


「あーそびーましょ」
「…帰れ」
「えー伊澄君つめたーい。俺の事嫌いなのー?」
「名前で呼ぶな。気持ち悪い」


寝起きが最悪すぎる。もうベッドから出たくない。
そんなことを考えながら、毛布を更に引っ張り深くまるまる。


「ちょーっとー聞いてよーちかがさぁ…あ、なんならテトリスやってもいいぞ!だから出てこいって」
「今何時だよ」
「え?朝の6時?」
「寝る」


疑問形で答えられた時間を聞き、手で耳を塞ぎ返事は聞こえない聞きたくないと無言で訴えた。


「みやむらぁ聞けぇ」


ぺっと毛布をはがされ、とても肌寒い。


「何すんだしんど…」
「…」
「ちけぇよ」
「そうだね」


起き上がれば目の前には進藤の整った顔。
っていうか近すぎないか。
でも進藤にはちかちゃんがいるし、俺にだって堀さんがいる。
そんな過ちなんて起こるわけもなく。



「…喉渇いた。進藤、そこのコーラ取って」
「はいはい。仕方ないですね」


何だよ俺はパシリかよとぼそっと文句を洩らしつつも、進藤がベッドから少し離れたところにあるコーラを取る。


そして、俺の目の前であろうことか、ペットボトルのキャップを捻り、中の液体を口に入れた。


「おい、おまえー…んむっ」



どういうことだろう。
お互い彼女持ちの男同士が、口移しでコーラを飲んでいる。


「んっ…しんど…」
「っ…」


コーラを一通り俺の口内に流し終えたにも関わらず、その行為を続ける。


「…俺ら何してるんだよ」
「さぁ」


自分からしておいてさぁというのも如何なものだろうか。俺達は暫く放心状態でかたまっていた。








(コーラ…甘かった。部屋に放置してた所為か炭酸も抜けきって温かった)




100523

え、どうすんのこの空気…みたいな。
お互い彼女が大事なわけですが、こんな事故もあると思う。
ついしちゃったんだよつい!ってことで。
進宮も宮進も好きです。




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