「…日向」
「……………」


俺が名前を呼び、日向を見つめると日向は気まずそうに顔を逸らした。
その理由は俺にあった…否、日向本人にあった。



「お前いくらなんでもこれはヤバい!!!ヤバいぞ!!!!」
「うるせぇー!俺だってヤバいってことはわかってるんだよおおおお!」

はぁ、とあからさまにため息をつくとぴくりと肩が上がり、うらめしそうな顔で此方を見てくる。

「ば、ばかにすんなよ音無!!!俺は体育会系なんだ!」


―そう、先程からあまりよろしくない雰囲気になっている原因は日向の頭についてだった。頭、というか成績についてと言ったところだろうか。
どうもこいつは頭があまり良くないらしく、成績もあまりよくなかった。普段から消えないためにきちんと授業を受けていないから、仕方ないといえば仕方ないのだが…どうやら問題は前世にあるとみた。
何故なら、



「いんいちが?」
「いち―…ってぜってーバカにしてるだろ!!」
「してないしてない。しちし?」
「さっ…にじゅうしっ…はち」
「ギリギリじゃねーか!むしろアウトって言われても仕方ないくらいギリギリじゃねーか」
「な、7の段は苦手なんだよ!九九くらいは流石に出来るわ!」
「…」


どうやら本当にこの戦線にはアホかバカしかいないらしい。…俺も含めてなんだけど。
日向は1人で九九を唱え始め、6×7でまた躓いた。…もう死んでしまったから勉強しても、正直不要といえば不要だ。しかし、時間は山ほどあるのだから…少しくらい勉強させてやってくれ。

そんな言い訳を、してみる。


「よし日向。俺が教えてやる。まずは中学の数学からだな!いや、算数からのがいいか?」
「いいいい…いらねーよ!俺は数学が苦手なんだよっ」
「さて…と。図書室にでも行けば教科書くらい置いてあるんじゃないか?なんでもありそうだな。よし行くぞ日向」
「俺の話を聞けえぇぇぇえ!」

叫ぶ日向を無視して、引きずりながら図書室へ向かうのだった。
これから暫く放課後は…勉強だな。



(日向と少しでも一緒にいたいから)






100814

リクエストをいただいた音日ギャグ…のはずでした!
ギャグ…ギャグなのかなこれって…
私ギャグに走ると大体どちらかが変態になるのですごくギャグっぽくないギャグになってしまいました。すみません!
とにかく、リクエストありがとうございました!結局音無さんが策士っていう。

…日向はきっと体育だけ5であとはめちゃくちゃな成績なんだろうなぁ…あ、でも家庭技術は得意だといいな^^

アホの子日向可愛いです。


- ナノ -