黄金の草原 | ナノ

03.錬金術師の苦悩


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翌日、天気はあいにくの曇り空だった。

遠くで雷鳴も聞こえている。

「今日は降るなこりゃ」

エドが空を仰いで呟いた。







アルが玄関の呼び鈴を鳴らし、いつものようにドアを開ける。

「こんにちはー。タッカーさん、今日もよろしくお願いします」

しかし、家の中は真っ暗で、物音も聞こえてこない。

三人は怪訝な顔をして互いを見た。

「誰もいないのかな?」








とりあえず家の中を見て回ることにした。

窓から入るわずかな明かりを頼りに、広い家を歩き回る。

「タッカーさーん」

「ニーナ?」








声を上げ、二人を探しながら、シャオリーは自分の気持ちが塞いでいることに気づいた。

なんだか胸が重い。








シャオリーは自分が単純であることを知っていた。

晴れていれば気分がよく、曇りや雨なら気持ちが沈む。

昔からそうだった。

今日の天気は曇り。

だから、気分が乗らないのだろう。

シャオリーはそう自分を納得させた。








資料室を確認し、研究室を覗き込む。

しかしそこにも二人の姿はない。








シャオリーはいよいよ気分が悪くなっていた。

足が鉛のように重く、地面に吸いついて離れない。

一歩踏み出すのに全神経を集中しなければならなかった。












ある部屋の前に来ると、三人は扉が開いていることに気づいた。

中で何かがキラリと光る。

目を凝らすと、それがタッカーの眼鏡だとわかった。

「なんだ、いるじゃないか」

エドがホッとした声を出す。

その声に反応して、タッカーが三人に振り向いた。

「ああ、君たちか」

その声はどことなく浮き立っていて、口元は締まりなく開いている。

「見てくれ。完成品だ」

そう言ってタッカーは両手を広げた。

自らを誇示するように胸を張る。

彼の足元には、ライオンほどの大きさの動物が座っていた。







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