いつだって愛しい愛しい彼女を食べたい衝動に駆られる。変わってしまってから、歪んだ世界から見た彼女はもう食事。空腹の時に、目の前に美味しい食事があって、でも〈待て〉の状態なんだ。食べては、いけない。

×××を傷つけたくないんだ。


「コーヒーで良い?」


『あ、ゴメンね、いきなり家に来て』


「いやいや、課題あったの知らなかったから、××さんが来てくれて良かった」


本当は来てほしくない

えへへ、と照れたように笑う×××を見るだけで心が押し潰されそうだ


『コーヒーたくさんあるんだね、金木君ってコーヒー好きなんだ、始めて知った』


「最近、コーヒーよく飲むんだ…」


高校の頃からの付き合いで、お互い隠し事は無しって言ってきたのに―今さら知ることがあると思う?


『ありがとう、うん…良い薫り』


カップに口をつけてコーヒーを飲む×××を見て、美味しそう、と思う。どちらかー分からないけど


「………」


『金木君?』


汚せないんだ

でも、もう無理


『大丈夫…?』


見つめないで


「うん」


覚えていて

もう、僕は
変わってしまった
壊れてしまった


「ねぇ」


『?』


「×××のこと、食べて良い?」


き み は ご ち そ う

〆14/09/01

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