ずっと片思いだった

あの人とは高校が違って、全く会えなくなった―一目でも会いたいと願っても通学路が交わることが無い


あきらめる、選択肢もある

でもやっぱり忘れられない


『大好き、なんだよなー』


暑い夏でも日中よりか朝はまだましなほうで、自転車は風を感じられて良い


最近はあの人のことばかり

日々恋しさが増していく


『ふーみきくん』


名前を口にだすと
何故か恥ずかしい

しかも心臓がくすぐったい

本当に重症だわ




しばらくして、踏切にさしかかった―自転車をこぐ足を止め一時停止


『ふぁー…っ、眠い』


ガタンゴトンガタンゴトン
電車が勢いよく通り抜ける

再びあくびをしてから踏切を渡ろうと顔を上げると


『〜…っ!』


「お、**…ちゃん?」


文貴君、だ

ヤバい絶対いま顔赤い


文貴君が踏切を渡って
こちらに来る


「おはよ…今日も暑いね」


『うっ、うん!暑い…ね』


「**ちゃんと会うの久しぶりだなー、彼氏とかできた?」


『彼氏は、いないかな…』


「へー、じゃあ好きな人は?」


言葉に詰まる

ここでいると言ったら、私が通っている学校に―って捉えられる…いないと言っても、嘘になる


『どぅ…かな』


「あっ、何かゴメンね、久しぶりに会ったのにいきなりこんな話して―」


『大丈夫だよ!ふっ、文貴君は高校どう?楽しい?』


「すげぇ楽しい!俺高校でも野球してんだよ!しかもレギュラー!」


『わぁ…凄い』


「ま、部員が少ないから必然的にレギュラーなんだけど…ね」


『ふふっ、レギュラーになれたのは文貴君の実力でしょ?』


「えっ、**ちゃんはそう思うの?」


『ん、思うよ?』


そう言うと文貴君は
照れ臭そうに微笑んだ


あ、そうだ

この笑顔が好きなんだ
いま凄く心がくすぐったい


『あの、文貴君』


「なに?」


『あのね、私―』



L o v e 0 0 %



*10.09.14*



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