――プリプリパロ(一部)











十「なぁ、ヨハン!この髪留めの付け方分かんないんだけどー」


ヨ「これは、ここのピンを外して・・・」


十「あー、そう付けるのか!サンキュー、ヨハン」


ヨ「十代、背中のリボン結んでくれよー」


十「おう、任しとけ」


万「・・・・・・」


ヨ「・・・、万丈目?早く着換えろよ、遅刻するだろ?」


十「万丈目、まだ制服も脱いでねーじゃん。遅刻したら会長に何て言われるか分かったもんじゃねーぞ?」


万「何で貴様らはそう平然と着換えてられるんだ!」


ヨ「お仕事だし?」


十「姫仕事特典の為だろ」


万「たかが特典だけで、貴様は女装を簡単にするのかッ!?」


十「たかが・・・特典・・・だと・・・?」


万「(しまった・・・)」


十「万丈目は何も分かってないッ!一人暮らしの学生に、毎月30枚の学食の食券を無料配布されるんだぞ!?」


ヨ「おぉ・・・十代が燃えてる・・・」


十「学校での必需品、筆記用具、制服、さまざまな必要備品が無料で支給されるんだぞ!?」


万「じゅ・・・十代・・・お、おち・・・っ」


十「さ・ら・に!小遣いまで貰えるんだぞ!?」


ヨ「あーあ、十代に火付けちまった」


十「女装して学園に花をもたらすだけで、こんな特典が付くんだぞ!?やらない手はないだろ!!」


ヨ「まあ、とりあえず・・・万丈目さっさと着換えろよ」


万「嫌だッ!俺はやらないって何度も言ったはずだ!」


ヨ「万丈目ってさ・・・一言目には『嫌だ』、二言目には『辞めたい』そればっかだよな」


万「・・・ッ、何が言いたい」


ヨ「万丈目・・・いい加減ウザい」


万「!!!」


ヨ「お前さ、我が儘言えば『姫』をやらなくても良くなるとか思ってないか?」


十「・・・おい、ヨハン」


ヨ「そんな勝手な事、聞き入れて貰えるわけないだろ」


万「……っ」


ヨ「そういうとこ、イライラする」


万「――――ッ!!」


十「・・・ヨハン、言い過ぎ」


ヨ「いやー悪い悪いっ。なんかこう、万丈目って弄りたくなるんだよなー」


万「くっそおおおおおお!」


十「さあ、万丈目。さっさと着換えて、お仕事行こうぜ☆」


ヨ「今日も頑張るぞーっ!」


万「……・・・ッ」



+++++++++++++

☆配役☆

・亨=十代
・裕史郎=ヨハン
・実琴=万丈目

+++++++++++++





ヨ「なぁ、十代!この青のマスカラ綺麗じゃないか?爽やかで良い感じだぜ?」


十「良いなぁ、それ!・・・おっ、ヨハン!これお前に似合いそうだぜ?」


ヨ「そういう十代にも合うんじゃないか?」


十「えー、そうかなー」


万「…………」


十「この服可愛いな、袖と首元にコサージュが付いてるぜ」


ヨ「これも可愛いぜ、白の生地に黒のレースなんて、シンプルで良いじゃないか」


十「じゃあ、その服に・・・このアクセとか良いんじゃね?」


ヨ「可愛い可愛い、このスカートにも合うよなー」


万「う゛あああああああああああああ!!!」


十「ど、どうした万丈目!!」


ヨ「なんだよ一体!」


万「可笑しいだろッ!?何故男である貴様らは、女性ファッション誌を広げてガールズトークを繰り広げているんだ!?」


十「いやぁ…『姫』やってると、ついな・・・」


ヨ「なんというか、癖?みたいな」


万「可笑しいッ!全てにおいて可笑しいッ!」


十「ま、まあまあ・・・落ち着けって万丈目」


ヨ「そうそう。ほら、この黒の着物なんかお前に似合ってるぜ!」


万「あ、そうか?・・・じゃないいいいいいいいい!!!」


ヨ「なんだよ、大声出してさー」


万「駄目だ・・・貴様らと話していると・・・俺が俺じゃなくなってしまう・・・」


十「大げさだなー。もっと前向きに行こうぜ?ポジティブに考えよう準子ちゃん」


ヨ「そうだぜ?悩むくらいなら、ヤケクソで何もかもやってやろうぜ、準子ちゃん」


万「準子ちゃん言うなあああああああああああああ!!」


ヨ「少しはカルシウム取ろうぜ。なぁ、十代子ちゃん?」


十「牛乳持ってこようか?なぁ、アンちゃん?」


万「こいつらッ・・・!!」