「旅行に行こう!A」






――旅行2日目・朝







ク「今日はどこに行く予定なんだ?」


不「今日はね、骨董通りっていう古い通りがあるんだ」


月「そこの通りがね、古いお店ばかりで結構楽しめるって人気なの」


遊「へぇ…」


ク「遊星が欲しがりそうなもんが売ってるかもよ?」


遊「あぁ、楽しみだ…」


不「だから、早く準備して行こうか!」


月「ほら、遊星もクロウ君も仕度しちゃいましょう?」












遊「クロウ、たまには私服でスカート穿こうと思うんだが、これどうだ?」


ク「可愛い可愛い、お前は何着ても可愛い(ゴソゴソ」


遊「……全く見てないじゃないか。ちゃんとこっち見て言え」


ク「おー、今見たらつい襲っちまうから後でなー(カチャカチャ」


遊「………それでも良いから見てくれ。何のための珍しいお洒落だと思っているんだ」


ク「何?俺のため?」


遊「当たり前だ!」


ク「仕方ねぇなぁー。……うん、可愛い可愛い」


遊「だろう?アキが一緒に選んでくれたんだ、この服」


ク「違う違う、服じゃなくて遊星が」


遊「………俺が?」


ク「そ、お前が可愛いの(ニッコリ」


遊「――――ぅ…////(カァァァァ」










不「凄いよね、あの二人を見てると私が幸せすぎて死にそうになるよ」


月「貴方も相当あの二人が大好きよね」


不「だって、二人とも純粋だからねー…こう、見てて…ニヤニヤするというか」


月「気持ちは十分分かるわよ(クスッ」




++++++++++++++++++










――骨董通り






不「これ、ママの好きなデザインのグラスじゃないのかい?」


月「まあ、本当!素敵ね、これ」


不「買っちゃう?安いけど」


月「安いうちに買っておこうかしら。手に入れられるものは、早めに手に入れとかないとね!」


不「向こうに良い陶器があったんだけどー…ダメ?」


月「安いなら持ってきていいわよ」


不「うん、安い安い!良いもの見つけたんだよ!」











ク「へぇ、結構シルバーアクセとか売ってるんだなー…」


遊「クロウ、これクロウが好きなデザインじゃないのか?」


ク「おっ、羽アクセじゃん。良いなこれ、カッコいい」


遊「このネックレスにお揃いのピアスもあったぞ。……ほら、これ」


ク「うわ、すげぇ俺好み」


遊「そうか?……じゃあ、これ買ってくるな!」


ク「え!?なんで!?」


遊「バイト休んでまで旅行に来てくれたからな、せめてものお礼だ」


ク「いや、だからって別に…」


遊「俺がプレゼントしたいんだ。じゃ、買ってくるな」


ク「あ、ちょっと遊星っ!……行っちまった…本当、行動がはえーなぁ…」





++++++++++++++++++








遊「買ってきたぞクロウ!はい」


ク「あー…マジで買ってきたのかよ…。分かった、遊星の気持ちは有難く受け取るよ」


遊「最初から素直に受け取ればいいんだ」


ク「ん、早速だけど着けていいか?」


遊「もちろん」


ク「よっ…と、……どうよ、似合うか?」


遊「あぁ、カッコいいよ」


ク「サンキュー、遊星。それから、これお前にプレゼントな」


遊「え…俺に?」


ク「あぁ」


遊「いつの間に買ったんだ」


ク「お前がレジで金払ってるときに」


遊「油断も隙もない……。でも、有難う。すごく嬉しい…、開けていいか?」


ク「まあ、気に入るかは分かんねぇけど」


遊「(ゴソゴソ)……あ…星と羽のネックレス…」


ク「遊星は名の文字通りに星型選んでみたんだ。んで、羽は俺な。一応」


遊「良いな、これ……すごく気に入った…、クロウ着けてくれ!」


ク「おうよ。


  ……おし、これでいいか?」


遊「どうだ?似合ってるか?」


ク「似合ってる似合ってる。それから、こいつも…」


遊「まだ何かあるのか?」


ク「ちょっと目瞑ってみ?」


遊「?分かった」













ク「目、開けて良いぞ」


遊「ん。一体なに…を……っクロウ!これ…っ!」


ク「まだ本物は我慢してくれよ?一応、形だけでもと思ってさ…」


遊「これを…俺に?」


ク「……本物の指輪は、卒業してからな?」


遊「――――ッ、クロウっ!(ガバッ」


ク「わっ、ちょっ、遊星、ここ外っ!」


遊「構わないっ!嬉しすぎるから身体が勝手に動いたんだっ!///」


ク「そんなに喜んでくれるとは思わなかったけどなー」


遊「喜ぶに決まってるだろう!しかもしっかり薬指に填めてくるし…っ!///」


ク「指輪つったら薬指だろー?」


遊「うぅ…っ、クロウ大好きだっ///(ギュッ」


ク「くっそ、先に言われた」


遊「なら、クロウも言ってくれ」


ク「遊星、愛してる(ニコッ」


遊「(くっ…カッコいい…///)」

















遊「父さんっ!母さんっ!」


月「どうしたの遊星?すごく嬉しそうじゃないの」


遊「く、クロウにっ指輪プレゼントされたっ!///」


不「………(ガッ」


ク「真顔でガッツポーズしないでください」


月「良かったわね、遊星。そのネックレスもでしょう?」


遊「あぁ、そうなんだっ///」


不「(憎いねェー、指輪かぁーっ)」


ク「(そのニヤニヤ顔止めてくれ…っ今頃照れ臭くなってんだからよ…っ///)」


不「(で、そのピアスとネックレスはゆうちゃんからだね?)」


ク「(まあ…旅行のお礼だって言うから…)」


不「よし!今日の夕飯は豪勢なものにするぞ!」


月「なにをそんなに張り切っているのかしら?」


不「正式にクロウ君が婿入りすることになったからさ」


ク「はっ!?」


月「はいはい、張り切るのはいいけど、運転は集中してくださいね」







ク「また勝手に盛り上がってやがる…」


遊「クロウ、本物の指輪をいつまでも待ってるからな」


ク「……それまで愛想つかされないように頑張るしかねぇなぁ」


遊「それはないと思うぞ?俺がクロウに愛想をつかすわけがないだろう?寧ろ、俺が愛想つかされないようにしなきゃいけないな」


ク「いや、俺が遊星に愛想つかすはずねぇだろ?」


遊「……愛想つかされる心配はないみたいだな」


ク「そうみたいだな(ギュッ」


遊「クロウに抱きしめられるの好きだなぁ…」


ク「なにそれ、初耳」


遊「言ってないからな」


ク「先に言えよ。でも良いこと聞いたなぁー、もっと抱きしめてやる(ギューッ」


遊「(幸せだとは口が裂けても言えない…///)」




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