「幻惑の洞窟」








『幻惑の洞窟』









ク「着いた、ここだ」


鬼「これがその洞窟かー。結構入口が小さいな」


ク「まあ、小さい洞窟だからな」


JA「なら、抜け出すのも簡単だろう」


ク「それがそうもいかねーんだよ」


遊「なんでだ?」


ク「うーん、まあ、入ってみれば分かるって」


JA「そこで説明しないのがお前の悪い所だと思うぞ」











鬼「おー、中は意外と明るいな…」


遊「だが足元が不安定だな、転ばない様に気を付けないと…」


JA「アイテムを落とさない様に気も使わないといかんな…」


鬼「天上はそれなりに高いんだなー…」


JA「クロウ、ここはどのぐらいの長さなんだ?」


遊「おっと、鬼柳押さないでくれ」


鬼「へ?俺はこっちに居るぞ?」


JA「っ、遊星、人を押すな」


遊「?俺はここにいるが…」


鬼「いてっ!おい、クロウ!髪の毛引っ張んなよ」


ク「俺は一番後ろに居るぞ」


遊「あれ……一体どうなって……っ!?」


鬼「げぇ!!俺達がもう一人いる!!」


JA「なんだこいつらは!」


ク「これがこの洞窟の特徴でな、“幻惑の洞窟”ってんだ」


遊「幻惑?じゃあ、魔法なのかこれは?」


ク「まーな。で、旅人と同じ姿に変えて惑わすんだ。出口まで行かせないようにな」


JA「ならこの魔法をどうにかしなきゃならんというわけか」


ク「まあ、微弱な魔法だから、その魔法よりも強い魔法をぶつけりゃ消える」


遊「そうなのか。なら、そこにいる俺は偽物だ。マーカーが逆だからな」


鬼「お!本当だ!よく見たら特徴あるな」


ク「よし、【ファイア】!」







 ボシュッ






鬼「消えた!消えた!じゃあ今度は俺のほうだな…うーん…」


遊「どっちが本物だ……?」


ク「………どう考えてもこっちだろ」


JA「何故分かる?」


ク「よーく見てみろよ、ピアスの色が違う」


遊「……よく覚えてるな、全く分からない」


JA「クロウ…実はお前が一番鬼柳を見てるんじゃないか…」


鬼「クロりん…っ(キュンッ」


ク「ぐ、偶然だろ!偶然!【ブリザド】!」







 ボシュンッ







遊「よし、消えた」


鬼「次はクロウだな…」


JA「全身真っ黒で違いが判らん」


遊「これは難しいな」


鬼「……クロりんは旅するのに二人居てもいいんじゃね?戦力倍になるぞ」


ク「なんでだよ」


鬼「はい、突っ込んだ!突っ込んだよ!突っ込んだ方が本物だ!」


遊「鬼柳も相当クロウの扱いが上手くなってきたな」








 ボシュンッ






遊「……さて、これは…」


鬼「……え、違いあるか?」


ク「……なくね?」


遊「そもそもジャックはなんというか…」


ク「お前、影薄いもんな」


JA「「なんだと貴様!!」」


鬼「どっちも怒るんじゃねーよ!判別できねーだろ!」


遊「どうする…難しいぞ」


JA「「いいからさっさとしろ!」」


ク「偽物までうぜぇ」


鬼「なぁ、別にこれ片方殴らなくてもいいんじゃねぇ?両方殴ればいいだろ」


ク「それもそうだな」


JA「「なんだと!?」」


遊「まあ、それが得策だな。諦めろジャック」


JA「「遊星お前…!!」」


ク「えーと…低級、中級、上級どれがいい?」


JA「「もっと穏便に考えたらどうだ!!」」


ク「【サンダラ】」















ク「はぁー、抜けた抜けたー」


鬼「結構短い洞窟だったなー、もう少し長くて良かったかも」


遊「少しはレベル上げになったんじゃないか?なぁ、ジャック?」





 へんじがない ただのしかばねのようだ▼





ク「うん、誰かフェニックスの尾持ってね?」


鬼「クロりん、手加減ってもんを覚えようね」




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