「間もない頃」
『僕たち付き合ってます！ 16』
――付き合い始めて間もない頃
遊「なぁ、クロウ？」
ク「なんだ？」
遊「思ったんだが…恋人って何をするんだ？」
ク「えっ」
遊「俺達…一応は恋人同士だろう？」
ク「一応じゃなくても恋人同士だって」
遊「それで、恋人って何をするんだ？俺達、このままだと親友の延長線じゃないか？」
ク「う…、痛いとこ突いてくるな…。でもさ、俺達には俺達のペースってもんがあるだろ？」
遊「手を繋ぐことしかできないのにか？」
ク「うぐっ…。それは…うん…なんとかするけどよ」
遊「ねぇ、クロウは…俺はこのままで良いと思うか？」
ク「どういうことだ？」
遊「いや、俺はその…口が悪いし…一人称が俺だし…」
ク「今更何言ってんだよ」
遊「確かに今更なんだが…でも…」
ク「試しに練習してみろよ」
遊「……ねぇ、クロウ？これでいいかな？変…じゃないかな？」
ク「………」
遊「どうかな？クロウ…」
ク「………悪い、心臓に悪いから止めてくれ///」
遊「そうか、ダメか」
ク「ダメっつーかなんつーか…可愛過ぎるからダメ」
遊「クロウ、眼科行かなくていいか？」
ク「おい。お前は可愛いの！それに、口調も変えなくていい！」
遊「なんでだ？」
ク「お前の口調も何もかも好きだから関係ない！」
遊「………そうか///（ｶｧｧｧ」
ク「（えっあっ…遊星が照れてる…っ！？）」
遊「その…クロウがそう言うなら…このままでいい///」
ク「（なんだこれ…可愛い…///）」
遊「じゃあ、結局恋人同士は何をすればいいんだ？」
ク「そんなに恋人同士らしいことをしたいのか？」
遊「折角だし」
ク「折角だしって…、じゃあ……ちょっと目を瞑ってみろよ」
遊「ん？……こうか？」
――ﾁｭｯ
遊「っ！？」
ク「ん。恋人っぽい事」
遊「…………」
ク「なんだよ、その不服そうな顔」
遊「……キスは……」
ク「キスは？」
遊「……俺からしたかった……///」
ク「！？////」
遊「……クロウのばか…///」
ク「う…ごめん…///じゃ、じゃあ！お前からしてくれよ！」
遊「えっ！？」
ク「……だめ？」
遊「うぅっ///クロウのばかやろうっ」
――ﾁｭｯ
ク「……俺そろそろ死ぬのかね？」
遊「なんでだ？///」
ク「幸せすぎて」
遊「……ばか///」
ク「俺何回馬鹿って言われたよ？」
遊「三回」
ク「普通なら怒ってるところだけど、遊星が言うから逆にご褒美だな」
遊「……ばか」
ク「有難う、褒め言葉だな」
遊「……好き」
ク「俺も好き」
ク「ってことがあってだな」
鬼「………惚気かよ」
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