「友人」
JA「どうだったんだ?お泊りは」
ク「…どんだけ遊星に骨抜きにされてるか、嫌でも思い知らされたぜ」
JA「ほぉ…どういう風に?」
ク「何やってても可愛いんだよ、あいつ」
JA「重症だな」
ク「あぁ、重症だ。自分でも言い切れるわ」
JA「何やっても手遅れか…」
ク「お前な……」
――…〜♪
ク「ん、なんだ?」
JA「メールか?」
ク「みてぇだな…送り主は……ッ、遊星着た!!」
JA「……噂をすれば、か」
ク「あークソッ!メールが着ただけで緊張するってどんだけだよ俺…!!」
JA「………」
ク「えーと、何々ー…?」
JA「…………」
ク「…………」
JA「……なんだって?」
ク「…………」
JA「おい、クロウ。遊星は何だって?」
ク「……この間の喫茶店に来てほしいって…」
JA「へぇ、デートのお誘いか?」
ク「からかうんじゃねぇよ!!///」
JA「顔は嬉しそうだぞ」
ク「うるせぇ!俺は馬鹿正直なんだ!!」
JA「自分で言うか」
遊「クロウ、お前に紹介したい人が居るんだが…」
ク「!!彼女か!?(ガタンッ」
遊「えっ?い、いや、違う友達だ」
ク「な、なんだ、そっか(ホッ…いや、なんで安心してんだ俺)」
遊「俺の大学の友人なんだが、明るくて元気な奴だから、仲良くなれると思う」
ク「へぇ……」
遊「一応、ここに呼んであるんだ」
ク「へぇ…(なんだ…二人きりじゃねーのか…、何で残念がってんだ俺)」
遊「……あぁ、来た来た。あいつだ」
――バタバタバタッ
鬼「わっるい!参考書を大学に返しに行っててさー!」
遊「いや、大丈夫だぞ」
鬼「一応走って来たんだけどー…間に合った?」
遊「遅れたわけじゃない、安心してくれ」
鬼「そっか!なら良かった」
遊「クロウ、紹介するな?こいつは鬼柳京介、俺の大学の友人なんだ」
鬼「あ、お前がクロウ?俺、鬼柳京介!好きなように呼んでくれよ」
ク「あ、あぁ…宜しく。俺はクロウ・ホーガンな」
鬼「んでー…十六夜の彼氏なんだって?」
ク「え、あぁ、まあ」
遊「アキが幸せそうなのがよく分かるよ」
鬼「ふーん……ま、見りゃ分かるな。自分の恋人を大事にするタイプだな、クロウは」
遊「クロウ、気を付けろよ?鬼柳は人を見る目が鋭いから、隠し事とかバレたりするから」
ク「げっ…マジかよ…」
鬼「いやいや、遊星の場合は分かりやす過ぎるんだって。この天然ちゃんー(ムギューッ」
遊「ふむぅっ!」
ク「…………」
+++++++++++++++++++
遊「飲み物取りに行ってくるな」
鬼「いってらっしゃーい」
――スタスタスタ…
鬼「なぁ、クロウ?」
ク「ん」
鬼「お前、遊星のこと好きだろ」
ク「ブホッ!!……っ、なんだイキナリ!?」
鬼「見てりゃ分かるっての。お前、遊星と喋るとき妙に落ち着きねーしな」
ク「………っ」
鬼「へぇ…ふーん…、彼女居るのに遊星に恋したんだ?しかも彼女の親友に。男に?」
ク「………、だったらなんだって言うんだよ」
鬼「…………
……ッ面白い!!」
ク「………は?」
鬼「いやぁー、最近何も面白いことが無くて暇だったんだよなぁー!こう、普通に一日が過ぎていくっての?」
ク「…………」
鬼「なんかこう…日常じゃありえないようなことに出会いたかったわけよ。そしたらこんなことになってんじゃん!」
ク「…………」
鬼「こりゃあ…この先を見守るしかねーじゃねぇか!」
ク「止めろ」
鬼「で?お前は遊星に恋をしたわけだが…十六夜はどうしたんだ?」
ク「……好きに決まってんだろ」
鬼「ってことはー……今は二人の人間に恋をしてるってことで?」
ク「……おう」
鬼「なにこの少女漫画」
ク「………」
鬼「実写版じゃねぇか。うわ、すげーな。で、お前は本当に遊星が好きなのか?」
ク「……おう」
鬼「本当に?気のせいじゃなく?」
ク「…おう」
鬼「絶対?本気で言ってる?」
ク「あぁ、本気だ」
鬼「……そこで彼女をすぐに取らないとこがなんていうか…男って辛いよなぁ」
ク「…………」
鬼「ま、俺は別に反対してるわけでもないし?温か〜く見守ろうかねぇ」
ク「……お前、掴みにくい性格してんな」
鬼「へへ、よく言われる」
――スタスタスタ…
遊「ただいま。鬼柳、喧嘩してないか?」
鬼「何で喧嘩するのが前提なんだ」
遊「お前はいつも一言余計だからな」
鬼「しーてーまーせーんー!普通に喋ってましたー!」
遊「本当か?クロウ」
ク「まあ…」
鬼「そ、そんなに信用ないか?」
遊「念のためだ、念のため」
ク「仲良いんだな」
鬼「(嫉妬?)」
ク「(バシッ)」
鬼「痛いっ!クロウ君痛い!」
遊「どうやら仲良くなったみたいだな」
ク「そりゃあ、もう」
鬼「でも本気で叩かないでね」
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