「家庭訪問」
ル「クロ兄ぃいいいい!!!」
ク「どうしたんだよっ!そんな必死な顔をして!!」
ル「終わった!!ホーガン家終わったぁ!!」
ク「はぁ?意味分かんねぇよっ!どういうこと?!」
ル「家庭訪問があるんだああああ!!」
ク「ホーガン家終わったあああああ!!」
レ「え?なに?何の話?」
ク「おい、聞け兄貴!耳を引き千切られたくなかったら聞け!!」
レ「え、ちょっ…目が据わってるぞ…酔ってる?」
ク「良いから聞け!!」
ル「あのなっ、兄貴!家庭訪問があるんだ…!家庭訪問!分かるか?!」
レ「あー、家庭訪問ね、家庭訪問」
ル「お願いだ兄貴!!真面目にしてくれ…真面目に!!」
レ「そんな、俺が普段不真面目みたいな言い方…」
ク「不真面目だろ」
レ「まあ、任せとけ。なんだかんだでも、俺はお前らの兄だ。長男だ。やるときゃやる」
ル「本当か!?本当だな兄貴!?」
ク「真面目じゃなかったら肥溜に埋めるからな!!」
レ「はいはい、分かってるって」
勇「あのさ、兄さん?」
優「……?」
勇「実はね、家庭訪問があるんだよ」
優「……うん」
勇「ちゃんと話聞いてくれるよな?」
優「……うん」
遊「勇星、一応俺も一緒に話を聞くから」
勇「それなら心強いや…」
遊「兄さん?ちゃんとある程度の会話はしてくださいね?」
優「うん…」
勇「大丈夫かな…」
遊「何かあればフォローするさ」
勇「それなら良いんだけど…」
優「………」
++++++++++++++++++++++
「――…それから、ルック君の生活態度なんですけども。ちょっと授業に参加してないことが多いですね」
ク「所謂…サボりというやつですかね?」
「そう……なりますね」
ク「……ルック?」
ル「………」
レ「あのな、ルック?授業は真面目に受けて損はねぇぞ?そもそも、学生の本分は授業を受けることだろう?」
ク「(馬鹿が真面目になんか言ってる…)」
ル「そういう兄貴こそ…真面目に授業受けてなかったって言ったじゃん」
レ「………」
「ど、どうやらご兄弟似ているみたいですね…」
ク「すいません、ルックにはよく言っておきます」
「ルック君にはもう少し授業を受けてもらいたいので、よろしくお願いします」
レ「ルック…真面目に授業受けような…」
ル「………」
「でも、ご兄弟皆さん仲が良いようですね」
ル「喧嘩ばっかしてるけどね。兄貴たちが」
ク「(パシンッ)」
ル「い゛…!!」
レ「ま、まあ…喧嘩するほど仲がいいと言いますから」
「そうですね。お兄様の方は…ご職業は?」
ク「あぁ…俺は大学生です」
レ「プロデュエリストです」
「まあ、そうなんですか。ご兄弟だけというのは、大変ではないですか?」
レ「いいえ、そんなことないですよ。弟たちはしっかりしてますし…次男のクロウは、しっかり母親代わりをしていますし」
ク「(母親……代わり……だと…)」
レ「結構、楽しくやっていますね」
ル「………」
++++++++++++++++++++++
「勇星は、たまに授業に参加しないことがありますね」
遊「なに…?(ピクッ」
勇「(ビクッ)」
優「それは…一週間にどのくらいでしょう?」
「一週間に…大体3回ぐらいでしょうか」
優「そうですか…。申し訳ありません、後でしっかり言っておきます」
「ですが、生活態度のほうは良いですよ。素直ですし、提出物は忘れずに提出しますし」
優「そうですか?それは安心しました。勇星はあまり学校のことは話さないもので」
「生活態度のほうは問題ありませんので、ご安心ください。ところで、ご兄弟だけでの生活は大変ではないですか?」
優「いいえ、弟たちは素直でいい子ですから…寧ろ、私よりもしっかりしています。もう自立しているようなものですよ」
「本当に仲が宜しいんですね」
優「喧嘩はほとんどしませんね。勇星とは年も離れていますし、私は父親のようなものですよ。次男の遊星もしっかり母親代わりをしてくれていますし」
遊「(母親…だと…?)」
JA「……おい、暗いぞ」
ク「…母親代わりって…男なのに母親代わりって……」
JA「おい、なにをブツブツ言って…」
遊「母親代わり…大学生で母親代わり……大学生で母親…」
JA「お前もか」
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