「作文の宿題」
ル「クロ兄……」
ク「な、なんだよ…どうしたんだよ…?お前がそんなに顔真っ青にしてるなんて…」
ル「ど、どうしようクロ兄……俺、もう分かねぇよ……」
ク「何があったんだよ…っ、言ってみろ!」
ル「……作文の課題が出たんだ…」
ク「……あぁ、お前作文苦手だもんな」
ル「違うっ!そうじゃないんだよ!そういうことじゃないんだ!」
ク「じゃあ、なんなんだよ」
ル「テーマが『家族』なんだ…」
ク「!!」
ル「俺…っ、兄貴のことをなんて書けば…っ」
ク「分かるッ!分かるぞその気持ち!俺もそうだった……」
ル「クロ兄はなんて書いたんだ!?」
ク「……ひょ…表面上のことしか書かなかったっていうか…ほぼ捏造したっていうか…」
ル「やっぱり、捏造しか…」
ク「……兄貴の部分は…俺も手伝ってやるから…」
ル「頼むよ…クロ兄…」
勇「なぁ、遊兄ちゃん」
遊「うん?」
勇「優兄ちゃんの職業ってなんだ?」
遊「……さあ?」
勇「えぇっ?!俺、てっきり遊兄ちゃんは知ってるのかと…」
遊「いや……俺も知らないんだ」
勇「……聞くしかないか」
勇「優兄ちゃん」
優「……何?」
勇「優兄ちゃん、職業なんなんだ?」
優「……二人を幸せにする仕事」
勇「優兄ちゃん、そういう子供騙しは聞いてないから」
優「……二人を養う仕事」
勇「いや、ニュアンスはあってるけどさ…」
優「内緒…(ポンポンッ」
勇「………」
遊「どうだった?」
勇「作文書けないかも」
遊「……そうか」
優「弟に……寂しい目で見られた……(シュン」
レ「奇遇だな、俺は毎日痛い目で見られてるぜ」
優「……お前は仕方ないだろう」
レ「……優星に言われると本気で傷つくから止めてくれ…っ」
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