金獅子、ラージャンはそう呼ばれる。
人間達がG級の武器、装備を持ってしてもなかなか手強い相手である。
でもそんな強いラージャン君には誰にも言えない趣味がある。彼は、アニメが好き…そう、隠れヲタだった………。
どのくらいか、というと一般の人が知ってる並々のちょい上あたり。
火山では地割れが激しく溶岩が噴き出す所が多い為、ラージャンには好都合でひとり、DBの真似までする程だ。某サイヤ人の真似や手からではないが、口からKAMEHAME波まで仕出かす程だ。


だが、そんな隠れヲタのラージャン君は悩みがあった…
だが打ち明ける相手がいない為、ひとりでうーんと、頭を抱えるのだった。







火山にいてもやはり煌めく白銀の幻獣はトコトコと噴き出す溶岩を軽やかに避けながら歩いていた。
するとだ、前方に雄々しい二本の角を持った金色の大きな巨体が頭を抱えてうーんうーん言っているのを見かけた。


あまりにもその姿が意外で、面白かった為声を掛けてしまった。普段では絶対見ることできぬ姿だった。


「こんにちはラージャン。どうしました?」


笑いを堪えて、あえて紳士に。相手を逆なでしないように丁寧に話し掛けた。
ラージャンは簡単なやつだから感情の上がり下がりが激しいのだ。


「…キリンか、お前火山に来てたのか。」


「はい。ちょっと散歩で。ところで、頭を抱えてどうしたのですか?」


「…ああ、それはだな…」

見られてたのか、と頭を掻きながらキリンに話し始めた。
話の内容はこうだ、この前素材ツアーでハンター達が火山に来てたのをちょうど目撃してちょっとサイヤ人の真似して脅かしてやったら案の定、人間は簡単な装備しかしてなかったし、驚いて一目散に逃げたのだった。ラージャンはそんな奴らが面白くて見てたんだが、ここからだ問題は…。
一人の人間が逃げる際にスタミナ切れ切れのふらふら状態で捨て台詞を吐いていった。


『この…!金色の猿めっ!!』


ラージャンの中で硝子が砕ける音がした………

…………ということだ。


「キリン、獅子って猿じゃないよな…?ライオン系だよな…?」



……めちゃくちゃどうでもいい………っ!


キリンはそう、思った。 あ、でもラージャンって簡単で単純な思考の持ち主だけどへんな所繊細だよな…とか色々考えてラージャンがこれ以上傷つかないように上手く話を切り出した。


「ラージャンわかるわかる、私もあの斑点だらけの黄色い首長動物と間違えられるよ。」


「そーだよな!!そーだよな!!キリン!!あいつら見る目ないよな!」


「そうですね節穴だらけで目潰れてまえ!ですね」


「わかるねキリン!!」


「はい」


ラージャンは目をキラキラさせて話しノリノリで楽しいそうだった。キリンもなんとなく楽しくなった。


「ああーなんか話したらスッキリしたぞキリン感謝する。」


「いえいえ」


ラージャンはそう言った。話す相手ができて嬉しそうだった。
それを見てキリンはよかったねと祝福する気持ちと、ドンマイだなと哀れむ気持ちがあった。



「…不憫だね」
ボソッと呟いた


キリンは少し自分の中にSっ気があるのでは………?と考えるのであった。





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