※擬人化してます。全く甘くない。
(テオ様とナナ様)



今日はバレンタインデーです。…が、しかし。炎帝様は今日も仕事で忙しいみたいです。
テオは部下である近衛部隊のグラビモスやラージャン、黒ティガにあれやこれやと指示を出している。きっと、今日がなんの日かなんて質問しても「なにかあったか?」と返されそう、そう、ナナ・テスカトル様は唸りながら眉間にしわを寄せていた。
グラビモスが途中、ナナ様を見かけ、「あんま眉間険しくしてますと、しわが増えますよ」といいおった。このやろう、仮にも妃に向かってそれはないだろう、部下としてどうなのか。しかし、炎帝のために四六時中働くまじめな奴だから大目めに見てやることにした。ああ、私はなんて寛大な心を持ち合わせているのだろう…。と、鼻でふんー、と笑ってやった。
グラビモスはというと、はあ、そうですかそうですかと軽くナナ様をあしらって大きな書類の束を抱えながらそそくさと退散していったところでした。最近奴は昇格したためか、近衛部隊の隊長になったとたん、自分の部隊の部下達の世話係りまでやらされることになったらしい。最近頭痛が…と言っていた。そういえば、テオも腰が痛いだの、頭が痛いだのうめいているときがあるしな…と思い出した。

「疲れには甘いものであろう」

せっかくの女子の大切な日だ。これを利用して今日こそはテオにアタックするべきではないか、日ごろなかなか二人きりになれず、甘いときめくような日々もなく、乙女心に鈍い帝王は毎日楽しそうに仕事をしている。実につまらん。そう考えてナナは早速、行動することにしたのだった。

「亜種ー!グラビ亜種!きなさい!!私しの手助けをしなさい!」

何を思ったか、ナナ様は早速どこかに行ってしまわれた。なにを今回はしでかすのか…、遠目でナナを見ていたテオは彼女の行動を理解できぬまま見つめた。若干、余ではなく、グラビ亜種を連れて行くのがまた、気に食わないが…。まあ、グラビ亜種の隊は、すべての総括は自分にあるとしてもそこまで手が回らず、ナナが指揮を執っているのでなんともいえない。仕事ばかりで二人きりになれないからと言って、少しくらい頼ってくれてもいいのに、とテオ様は考える。はあ、とため息をついてデスクワークを続けた。しばらくして、テオの部屋に来たグラビモスが「この書類にサインください」と言って、また新たな書類をどっさり持ってきたことでさらに憂鬱になった。



一方、ナナというと、
「こうスか…ナナ様?」

「違うわね、もっとこう、きゅっと!すらっと!ぼんっと!」

「無茶言わんで下さいよ」

グラビ亜種はナナの言われるがままに等身大のナナチョコを作らされていた……。そしてたまたま通りかかったアカムの姉さまがそれを見て激しく咳き込みながら爆笑していた。ああ、いいもの見れたわあああと、早速炎帝様をからかいに行ってやろう…そう悪巧みを考えた覇竜さまがおりました。炎帝様のいるところへ向かったのです。

「絶対食わせてやる…!」

「(甘ったるそう…、テオ様もお気の毒だな……)」

いやもう、むしろ私しを食ええええ!と高らかに笑っておられた。





またまた、城では…というと。

「…え、何すか覇竜さまは何しにきたのですか…!」

「今、忙しいのですよ!」と言ってグラビモスがアカムトルムを引き止める。しかし、アカムさまに勝てるわけもなく、首根っこをつかまれて投げ飛ばされてしまった。南無三…と手を合わせる黒ティガとラージャンがいる。アカムというと、「あたしは、炎帝さまに会いにきたの」そういってずんずんと行ってしまわれた。

「っぐ…あのバカ力…女…」

火山には変な女しかいないのか…とやるせない気持ちになるグラビモスさん。グラビモスはラージャンと黒ティガに支えられながら追いかけたのでした。





そして、テオ自室。
バアアアン…!と大きな音と共にアカムが豪快に扉を開けて入ってきた。デスクワークをしていたテオ様はびっくりして顔を上げた。扉はギシギシ音を立てており、いつかはほんとに扉が壊れるとテオは考えた。

「…覇竜殿、そなた、余の扉を壊したら弁償してもらうからな」
「まだ壊れてないから大丈夫であろう?」

何しに参った?と答えればアカムさまは「暇なの」「ここに来る途中いいもの見たの」と上機嫌だ。なんのこっちゃねん…とテオが呻いている。

「あのね、炎帝様、ここへくる途中ー…「アカムトルムぅうぅぅぅ!!」「テオさま!」「いきなりすいません…!」

と部下三人組がやってきた。またバアアアン…!と大きな音と共に豪快に扉を開かれてテオは「もう止してくれ…!」と懇願した。

「暇人が!」

とグラビモスはアカムトルムに盾つく。「仕事の邪魔するな」とグラビモスは怒っている。普段はそんな素振り一切見せない優しい隊長さんであるのに本当、グラビモスはアカムトルムには容赦ないなと傍観視していた。ギャラリーがさらに増えて炎帝様は心底うるさそうだ。早く、用件を言ってもらった方がさっさと片付くのでは…?

「い、いいから用事とはなn…「テオおおおおおお!!!」


ああ、もう今度はなんだ…!ナナの声が聞こえる。しかも廊下を走ってきている音がする。グラビ亜種の足音はよく響くからだ。今度こそは扉をバアアアン…!と大きな音と立てさせてはいけない。テオは自ら立ち上がって扉を開けたー…その刹那、茶色の塊が顔面にぶつかってきた…


「テオおおお!!

07

くらえ、私の想いと等身大の私…!」


「ぐげええええ!!」



「テオ様ああああああああ!」
グラビモスが叫ぶ。ラージャンは目を瞬かせる。黒ティガは唖然とする。チョコによって押し倒される炎帝って…とせせら笑うアカムトルムがいた。そして仕事が長引く炎帝さま。




(甘いものなんて余はいらぬ…)
(えええ!テオ、そうでしたの!!?)
(本当は今日、たまには夜、ナナとゆっくり過ごそうかと思って早く仕事を終わらせようとしたのだが…)
(ご、ごめんなさい…!)
(でも、ありがとう)
(…!///)

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テスカトル様ごめんなさいすいませんでした!
オチがこんな低クオリティーなものに!まあ、他の文も大差ないものなんですけどね^q^
バレンタインデーなのにまったく最後の最後まで甘いものがなく終わった火山組。


グラビモスさんとアカムトルムさんの奮闘は2ndGの覇竜さんの登場プロモーションから妄想しました。かわいそうですよねグラビさん。ドンマイ












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