雪雪雪辺り一面銀世界。 冷たいそれは、空からの贈り物のよう。 「真弘先輩!真弘先輩!雪!」 「おー…よくこの寒い中はしゃげるよな…」 「ほら馬鹿は風邪を引かないって言うじゃないですか!」 「関係ねぇよ!」 ばかーん!と叩かれた頭はじんわりと痛い。 じんわりじんわり冷えていく。 じんわりじんわり冷たさを感じて。 じんわりじんわり寒い。 「ってじんわりどころじゃない!寒い!」 「だから言っただろ。寒いから嫌だって」 「じゃあなんで付いてきたんですか」 「お前1人にしたら何するかわからないしな」 「酷いっすね」 珠紀ちゃんが平和にしてくれたこの村で、何が起きるというのだ。 むしろ私が何をしそうなのか教えてほしいぐらい。 「何しそう?」 「は?」 「私1人になったら何しそう?」 「厄介事。トラブルメーカーだし」 「厄介事…わっかんね!」 「だろうな。お前の頭じゃ限界だろ」 「真弘先輩だって対して頭良くないくせに」 「にゃろ!?」 白い新品の雪は、いつの間にか2人の足跡でいっぱいに。 だけどそんなことはつゆ知らず。 いつも通りの追いかけっこで、寒さもどっか行くんじゃないかしら。 「真弘と一緒に雪見れてよかった」 「あ?何だよ?聞こえなかった」 「なんでもなーい」 願わくば愛しい人の幸せを。 ********** 雪が降りました。 12月になりました。 リア充め…! (2011.12.1) |