ギフト、短編用 | ナノ




好きで好き




ぽかぽかな縁側に私と沖田さんは腰掛けて、何を話すこともなく、ただ庭を眺めていた。

この沈黙はすごく心地いい。


「なまえちゃん」


不意に口を開いた彼の瞳は、真っ直ぐに私を射抜く。

“見つめられている”

その事実に顔は赤さを増していって。恥ずかしくて顔を背けてしまった。


『な、なんですか…?』

「どうして顔を背けるの」

『いや、別に…』

「じゃあこっち向いて?」


いつもとは違う甘い優しい声。茹でたこ状態になってる顔を向けたら「真っ赤だね」って笑われる。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。

再度、背けようとした顔は沖田さんの手によって実現不可能になってしまった。


『おきひゃひゃん?!ひゃにしゅるんでしゅかっ』

「ははっ面白いっ」



両頬を掴まれて、自分でも吃驚するほどよく伸びる頬は、だんだんとチクチクした痛みに変わる。


『痛いれす!!』

「可愛いなぁ」


必死に離してくれるようにジタバタ足掻くが逆効果のようだ。抵抗を諦めて、なされるままに流されていたら、


ちゅ


『ーーっ?!!』


いきなり彼の唇が私の唇にくっついて、所謂その、接吻と言うことをな、やってしまったというか、やられたというか…。

頭が状況整理に追いつかなくて爆発してる私の隣で、くつくつ笑う沖田さん。


「なまえちゃんが好きだよ」


そう言って頭を撫でてくる彼の顔はすごく優しくて、普段なら絶対見れないような。


『あ、えっと…私も好きです…っ』

「知ってる」


この人はどれだけ私を翻弄させれば気が済むのだろうか。頭がクラクラして倒れそうだよ。だけど、それすら嫌ではなくて。



大好き
『てか…なんで私の気持ち知ってるんですか…っ』
「わかりやすいって自覚ある?」
『嘘、』
「本当」



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5000のキリ番を踏んでくださった葉月様に捧げます!!
沖田さんとの甘々ってことだったのですが…。
着地点が見えない話になってしまい申し訳ないですorz
葉月様、キリ番を踏んでくださりありがとうございます!!



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