さぁあつい。 「夏ってなんで暑いんだろうな」 知らん。あつい。 「ここまで暑くしなくてもいいよな」 そうだね。あつい。 「なぁ…なまえ…」 「なに」 やっと翔ちゃんの方を見てやる。 決してシカトしていたわけじゃない。 心の中で返事していたもの。 「あつい」 「あついね」 「好き」 「私も」 「なんか…」 適当…ってボヤく翔ちゃんのほっぺにちゅー。 「あ、更に赤くなった」 「なぁっなななななっ!」 「可愛いね、翔ちゃん」 どうやら不服のよう。 ムスッとして、あっち向いちゃった。 「さて、と」 立ち上がれない、だと? つん、と引っ張られる感じがして、原因を見れば翔ちゃんが私の服を引っ張っている。 どこの子供だ。 「翔ちゃん?」 「行くな」 「ん?」 「〜っ…行ってほしくないんだよ!」 一緒にいたい、と主張する腕は男の子の手だなぁなんて呑気に考えている。 その男の子である腕に押し倒されながら。 「暑さで頭狂ったかな」 「これからもっと暑くしてやるよ」 「そしたらわけわからなくなるね」 「悪くねぇだろ?」 「翔ちゃんとなら」 ********** 私の頭がわけわからなくなっています。 暑くないんです。むしろ寒いんです。 寒くてわけわかりません。 翔ちゃんはきゃんきゃん言わせたい派。 (2011.9.18) |