ギフト、短編用 | ナノ




それを恋と呼ぶにはあまりにも悲しすぎて




死切甘注意






「平助大好き」

「俺は愛してる」


もう何度同じやりとりを繰り返しただろう。

北に行く途中、お互いがまだそこにいるのを確認するかのように何度も何度も想いを伝え合った。


「これが最期の戦いか…」


びくり、私の身体が震えて。

“最期”

いや、逝かないで。
逝くときは、


「私も連れて行って」

「なまえ…」

「平助がいない人生なんて…嫌だよ」


そんなの生きている意味もない、言い終わらないうちに唇に温もり。
あぁ、まだ生きているんだなって。


「俺だってなまえのいない世界なんかいらない」

「…絶対一生ついていくんだから」

「ついてきてくれなきゃ困るっつの」


それを恋と呼ぶにはあまりにも悲しすぎて。

だから、私はこれを愛と呼ぶ。

一緒に灰になっていく中で平助にそう伝えたら微笑んでくれた。





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悲しいのが書きたかっただけなんです。

(2011.9.12)









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