過去短編 | ナノ




クリスマス





『総司さん!総司さん!』

「ん?どうしたの?」

『今日は25日ですね!』


今日は12月25日!
総司さんと恋人同士になったのはつい最近だけど、やっぱりクリスマスは特別だよね!


「あー、給料日だね」

『…あ、そうですね』

「ぷっ、嘘嘘、クリスマスだね」

『流石です…』


この意地悪にもだいぶ慣れた…と思う。

でもいいんだっ!
総司さんにちゃんとプレゼントあるし、それを渡すタイミングさえあればいい。


「イルミネーションでも見に行く?」

『行きたいですっ』


にこっと笑う、私に不釣り合いなその美貌についつい見とれてしまった。


「そんなに見つめられると穴があくんだけど」

『ふはっ!ご、ごめんなさいっ』

「ほら、行こう?」


差し出された手は、私の為だけに出された手で、とても嬉しく思った。

恋人、なんだなぁって。


「へ、くしゅんっ!」

『あ、』


ティッシュ、ティッシュ…。

ごそごそと鞄の中を漁っていると、総司さんにあげるプレゼントが目に入った。

可愛くラッピングされたそれに手をかけ、中身、手編みのマフラーを取り出し、


「え…」

『メリークリスマス、プレゼントです』


そっと、寂しそうな首もとにかけた。


「これ、手編み?」

『そ、そうです…っ!形、悪いですねっ!』

「そんなことないよ」

『ふぇ…』


ふいに近づいてきた彼の顔。

唇に温もりを感じて。


「メリークリスマス」


また左手にも違和感を感じ、顔の高さまで上げると、


『ゆ、びわだ…』

「僕からのプレゼント」

『あ、ありが、と…ござい、ます…っ!』


涙が溢れ、途切れ途切れになる言葉。
それでも総司さんは優しく笑いかけてくれる。


「これからもずっと一緒にいてね」

『勿論です!』


いつまでも、一緒に。





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遅いクリスマスネタ第一弾。
寒いですね、冬ですね。











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