距離感『んー…っ』 届・か・ね・え! 誰だ、あんな高いところに書いたやつ。 御堂先生だ。 無駄に高いからな…。 うちらの担任。 『そして、なんで日向がいないんだ!』 黒板消しはあいつの仕事なんじゃないか?! うちは机直し係りだっつの! 『145の背には限界が…』 「ほんとちっせぇな」 この声は… 『日向…お前どこにいたんだよ…』 「部屋」 『ざけんな!どれだけ苦労した…と…』 言い終わる前にうちの手の中にあった黒板を奪い、軽々と届かなかった場所を消していく。 その背の高さに一瞬魅入ってしまった。 「何、首振ってんだよ」 『いや、日向がかっこよく見えたような幻覚に陥った』 「おま…ふざけんなよ?」 『超まじめ』 おいっ!なんて大声出されたけど、気にしない。 きっとこの背の違いは縮むことはできないだろうな。 背伸びして届くなら こんなに苦労はしないよ。 「(慌てて飛んできた俺の気も知らないで)」 ************* ひよこ屋さまよりお題をお借りしました。 . |