可愛いクソガキ様「昨日のニュース凄かったね!反射ヒーロー 名前!敵の攻撃を食らっても涼しい顔して、一気に敵確保!」
「相手の攻撃の威力を全部吸収して、吸収した威力を相手に跳ね返せるんでしょ?よくテレビにも出てるし、格好良いよねー」
小さい頃から近所にいる、よく遊んでくれた男。勝己が中学生になる頃には、メディアでもよく取り上げられるヒーローへと成長していた。
教室にいると、時折女子たちが名前の話題を口にしている。勝己はそれが面白くなくて顔を顰める。
何が凄いんだ、何が格好良いんだ。あいつは餓鬼の自分に負けてもへらへらしてるような情けない奴なんだ。それに・・・
「俺が負かしたんだから。俺のもんだぞ・・・」
その呟きは誰も拾うことなく、教室の騒がしさに掻き消えた。