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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -
幼稚園生の名前は、近所に住む中学生のお兄さんが大好きです。
遊ぼうとお家に遊びにいけば一緒に遊んでくれます。お絵かきを一緒にしてくれて、おやつも一緒に食べてくれて、お昼寝してもずっと傍にいてくれます。
お兄さんは優しくって親切で、それにとっても物知りです。
名前が「あれは何?」と質問すれば、すぐに教えてくれます。パパやママに質問したって「後でね」とあしらわれるだけだったのに、お兄さんは何でもすぐに答えてくれるのです。
毎日毎日忙しくって名前をちっとも構ってくれないパパやママなんかよりも、一緒に遊んでくれる『消太くん』の方が名前は大好きでした。
名前は素直な子供でした。
幼稚園の先生に「お絵かきしましょうね」と言われれば、大好きな消太くんを描いて、その絵を消太くんにプレゼントします。
公園で摘んだ可愛いお花は、お友達の女の子じゃなくって消太くんにプレゼントします。
消太くんが大好きだって、会う度会う度に伝えます。
そうすれば消太くんは「有難う」と言ってくれるのです。
有難う。嬉しい。俺も大好きだよ。名前が欲しい言葉を全部くれて、抱きしめてもくれます。
抱きしめて、頬ずりをして、ちゅっと頬に唇を当てて、それから額にも唇を当てて、それからそれから名前の小さな唇にもその唇を当てるのです。
名前がこれは何だと問いかければ「これはキスだよ」と教えてくれます。キスとは大好きな者同士がすることだそうで、名前は嬉しくって何度も消太くんにキスを強請りました。
会う度に抱きしめあって、会う度にキスをして、名前は消太くんがもっと大好きになりました。名前が素直にそれを伝えると、消太くんはその顔に笑みを浮かべて「俺もだよ」と言ってくれました。
今日も消太くんとキスをしました。最近、消太くんはキスをする時に名前の体中をなでなでと沢山撫でてくれます。少しくすぐったいけれど撫でてもらえると嬉しくって、名前はけらけら笑いながらもっともっととせがむのです。
「誰にも言うなよ」
一度唇が離れたとき、消太くんは言いました。
「誰にもって、パパとママにも?」
「お前のパパにもママにも、知ってる人は全部駄目だ」
名前が思うに、消太くんが今まで名前に言ったことで間違ったことは一つもありませんでした。だから今回もきっとそれが一番良いのでしょう。
でもちょっとだけ不思議に思って「どうして?」と首を傾げれば、消太くんはすぐに答えてくれます。
「俺がお前にこんなことしてるって知ったら、皆が俺を怒るからだ」
「消太くん悪いことしたの?」
「あぁ、してるよ」
頷きながら、消太くんは名前の服の中に手を入れて身体を撫でます。名前はくすぐったさでけらけらと笑いました。
消太くんがしてる悪いことって何でしょう。名前には皆目見当がつきません。
「僕、怒られるの嫌。泣いちゃうもん。消太くんも、怒られたら泣いちゃう?」
名前は消太くんが泣いているところなんて一度だって見たことはありませんが、これからも見なくて良いやと思います。だって、消太くんが泣いていたら名前だって悲しくなってしまうのですから。
「そうだな。もう名前と一緒にいられなくなっちゃうから、泣いちゃうだろうな」
「消太くんどっか行っちゃうの?そんなの、僕も泣いちゃう」
「じゃあ約束してくれるか?誰にも言わないって」
「うん、言わない。消太くんとばいばいしたくないから、誰にも言わないよ」
「あぁ、有難う名前。お前は良い子だな」
頭を撫でられた名前は嬉しくって笑いました。
「消太くん、きす、きすしたい」
「名前はキスが好きだな」
「うん、大好き。だって消太くんが大好きだから」
すりすりと消太の胸に頬ずりをすれば、消太くんは名前を抱きしめながらキスをしてくれました。口の中に消太くんの舌が初めて入ってきた時は吃驚しましたが、今では慣れたものです。
「誰にも言うなよ」
「うん、言わない。約束」
「指切りするか?」
「うん、する!」
消太くんの差し出した小指に小さな小指を絡めて、一緒に指切りげんまんの歌を歌いました。
無知な子と悪戯っ子
「もうちょっと大きくなったら、もっと楽しいことをしよう」
消太くんが言うことに間違いはないので、名前は「早く大きくなりたいなぁ」とわくわく胸を高鳴らせました。
あと何回寝れば大きくなれるのでしょう。名前は楽しみでなりません。
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