施設崩壊フラグこの数日後、施設は敵の襲撃に遭い、複数の施設職員と施設に入居していた子達が重軽傷を負った。急行してきたヒーローのおかげで死者は出なかったことだけが救いだ。
「施設に不満出来た?」
「不満を抱く施設がなくなっちゃったので、どうとも言えません」
「住むとこないなら、俺とおいでよ名前くん」
差し出された手。五本あるうちの一本の指には、くるくると包帯が巻かれている。僕はその指をちらりと見てから、困ったように笑う。
「施設と破壊するとか、施設職員を消しちゃうとかは無しですよって言ったのに」
「施設は壊してないし、誰も死んでないから、セーフだろ?」
「それって屁理屈ですよ、弔さん」
そう言いながら弔さんの手を握ると、弔さんは嬉しそうに笑って、そのまま僕も弔さんも黒いもやもやに包まれた。