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06





「絶対可笑しい」

先程まで携帯を弄っていたトド松が突然そう呟いた。



「何がだ?」

「カラ松兄さんだよ。最近、しょっちゅう出かけてるじゃん」


少し前までは病院と家を往復するだけだったカラ松が、最近は昼間の間ずっといない。




「そもそもカラ松のヤツ、何時も何処行ってんだ?」

「何かカラ松girlに会うとか言ってるけど」

「ははっ、そういやそう言ってたけど、そりゃねぇだろ」


寝転がって雑誌を読んでいたおそ松はチョロ松の言葉に軽く笑った。



「もしも本当に女の子と会ってたら・・・」

「絶対ないない」

「そうだよねー」

そうは言うものの、こうも毎日出掛けていると少しは気になるものだ。




「・・・ついてっちゃう?カラ松兄さん、さっき出たばっかだし、まだその辺にいるよ」

「野球!?野球しに行くの!?」

「野球じゃないよ、十四松兄さん」


丁度女の子とのやり取りもひと段落ついたし、とトド松が立ち上がった。それに釣られて立ったのは十四松。散歩に行くとか言いつつもトド松について行こうとする一松。何だかんだで気になるおそ松とチョロ松。

五人はカラ松を追って外に出た。



トド松の読みは正しく、カラ松は家からそう遠くは離れていない場所をまだ歩いていた。

松葉杖をつきながらゆっくりゆっくりと歩くカラ松が辿り着いたのは公園。

平日の昼間だからか公園には殆ど人がいない。


きょろきょろと視線を巡らせたカラ松は、ある一点を見て「おぉ!」と声を上げる。

カラ松に見つからないように隠れていた五人はごくりと息を飲む。




「待っていたか、カラ松girl!」

その言葉につい身を乗り出した彼等は、目の前の光景に「は?」と声を上げた。


カラ松はしゃがみ込んでいた。

そしてその足元には・・・



「ニャー」

一匹の猫。


猫かよ!!!!と誰かが叫んだ。




「あーあ、カラ松girlって猫かよ。人じゃねぇのかよ!」

「まぁカラ松兄さんだしね」

「カラ松兄さんが女の子捕まえられるわけないけど、ほんと期待して損した」

「・・・帰ろ帰ろ」

「やきう!」


完全に興味を削がれた五人は口々にそう言うと公園を去って行った。







カラ松がそんな五人の後ろ姿を見て、小さくため息を吐いていたなんて知らずに。






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