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003




「嬉しいっちゃぁ〜!○○が地球にくるなんて!」

さっきのレイの一件は軽くスルーなラム。


「はい、姉様に会いたくて・・・」

ちょっと照れくさそうにいう○○にラムは「○○可愛いっちゃぁ〜♥」と抱きつく。

傍から見れば、ラブラブカップルである。





「あ!この人が、うちのダーリンだっちゃ!」

ぐいっとあたるの腕を掴んで引き寄せるラムに○○はニッコリと微笑む。


「初めまして、あたるさん。ラム姉様の弟の○○です」

「あー・・・」


穏やかな笑顔で挨拶をした○○はすっと手を差し出すが、あたるはその手を取っていいものかと迷う。




「どうかなさいましたか?」

首を傾げる姿に、周りの女子が叫んだ。

そりゃもう、ピンクオーラが駄々漏れだ。


その場に居合わせた男子生徒は思う



(((((コイツは男の敵だ!!!)))))



あたるもそう思ったのだろう。

軽く○○を見る。


・・・下心がまったくなかった。





「・・・ぅっ・・・ど、どうもぉー」

引きつった笑みを浮かべてあたるはその手を取った。



ギュムゥッ!!!

「痛ッ!?」


ものすごい力で握られる手。

ものすごく痛い。


そりゃもう、手が骨折しそうだ。




「あ!すみません!力加減がわからなくて・・・」

慌てて手を離して、しゅんっとした○○を周りの女子が慰める。

それはまるで計算。


しかし・・・




(((((コイツ・・・下心が見えないだと・・・!?)))))





そう。全然、下心が見えない。

女子が近くにいても、まったく動じない。


それどころか、ちょっとウザったそうにしている気さえする。




「けど、ちょっと嫉妬してるんですよ?」

「ん?」

あたるは首を傾げる。



「僕、ラム姉様が大好きで・・・そりゃもう、自分でも依存してるって思うぐらいですから。そんなラム姉様に愛されるあたるさんに、ちょっと嫉妬してしまいます。ふふっ・・・まぁ、姉様が幸せなら、僕は全力で応援するんですけどね」



純粋な発言。

あたるはその純粋さに口篭る。


周りだって、その純粋さに涙モノだ。






「姉様を、どうぞよろしくお願いいたします。あたる兄様」

にこっと笑ったその顔は、もはや聖人。


周りの者に精神的ダメージを与えるには十分すぎたらしい。





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