001
自分のベッドで目が覚めて、少しだけ目をこする。
起き上がって、隣の部屋でまだ寝ているはずの姉様を起こしに行こうとして、やっと気が付く。
『・・・あぁ、いないんだった』
ため息をつきつつ、まだ慣れていない自分にちょっとだけ笑ってしまう。
姉様が地球人の男を一緒になると言い出して地球に行ってしまってから一体、何日?何ヶ月?何年?
活発な姉様。
内気な僕。
嗚呼、姉様・・・お元気ですか?
適当に身支度を整え、部屋から出て、朝食へ向かう。
朝食を作っている母様に声をかける。
『おはよう御座います、母様。今日もお美しいですね』
『ふふっ、おはよう○○』
にこっと綺麗に微笑んだ母様に僕も微笑み返し、父様にも挨拶をする。
『おぉ○○。今日も手紙が届いていたぞ?』
『あ。有難う御座います』
父様から手紙を受け取る。
【好きです!愛してます!】
【貴方とまたお会いしたいです】
【貴方のことが好きすぎて毎日が苦しいです】
【○○様、是非とも自分を抱いてください!!!】
【愛してる】
手紙に書いてある内容は似たり寄ったり。
『・・・懲りないなぁ』
僕はその手紙を全て焼き捨てようとした。
『あ』
その中で、他の者とは違う手紙を発見する。
【○○〜?元気だっちゃか?うちは元気だっちゃ!ダーリンは今日も格好良いっちゃ!!!○○も、きっと気に入るっちゃよ?
ラムより♥】
『クスッ・・・姉様ったら』
その手紙だけを抜き取り、他は焼却処分。
あ、そうだ。
『父様。僕、ちょっと姉様に会いに行って来ます』
『ん?じゃぁ、宇宙船を・・・』
『いえ。いいです』
――下僕を使いますから。
笑顔で僕がそういえば、父様はちょっと苦笑を浮かべて頷いた。
嗚呼、姉様。
僕は今日もそれなりに元気です。
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