×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




絶望した少年




叫び声は反響して、僕の曖昧な意識の中で響いた。

冷たい床は僕の身体までを冷たくしていき、ついには心まで冷たくなってしまうんじゃないだろうか?とまで思った。


孤独な時間。

静寂の空間。


僕が大嫌いな時間は、あの闇の中で光を放つ“ソレ”によって、引き起こされる。




何度“アレ”を呪ったことだろうか。

けれど僕の現状が変わるわけでもなく、僕の行動は無駄だと気付いていた。


弱い自分に何度も失望して、この体を何度も恨めしく思った。

思っても仕方ないことかもしれないのに、僕はずっと思ってた。





――嗚呼、消えてしまいたい。





僕の声は・・・狼の遠吠えとなり、館の中に響いた。


なんとか自我を保つために、自身を傷つけるこの鋭い爪。

此処に人間がいるのであらば、すぐにでも噛み付いてしまいそうな野蛮な牙。


自分の姿に何度、失望させられたことか。

それは数えてもきりが無いほど。





嗚呼・・・

きっと僕は、一生この闇の中に囚われたまま、朽ち果てていくのだろう。

漠然としたことを思ったとき――





ギイィィイッ

開くはずの無い、閉ざされていたはずの扉が・・・開いた。



体が勝手に動いて、開いた扉にいる“におい”に向かって走っていく。

嗚呼、駄目。

今にも噛み付きそうな僕に、“何か”が言った。





「・・・なんだ。“ただの”人狼か」





その言葉は僕を驚かせ・・・

それと同時に、その声の人物によって――



「・・・グルルッ」

僕は意識を奪われた。





戻る