絶望した少年
叫び声は反響して、僕の曖昧な意識の中で響いた。
冷たい床は僕の身体までを冷たくしていき、ついには心まで冷たくなってしまうんじゃないだろうか?とまで思った。
孤独な時間。
静寂の空間。
僕が大嫌いな時間は、あの闇の中で光を放つ“ソレ”によって、引き起こされる。
何度“アレ”を呪ったことだろうか。
けれど僕の現状が変わるわけでもなく、僕の行動は無駄だと気付いていた。
弱い自分に何度も失望して、この体を何度も恨めしく思った。
思っても仕方ないことかもしれないのに、僕はずっと思ってた。
――嗚呼、消えてしまいたい。
僕の声は・・・狼の遠吠えとなり、館の中に響いた。
なんとか自我を保つために、自身を傷つけるこの鋭い爪。
此処に人間がいるのであらば、すぐにでも噛み付いてしまいそうな野蛮な牙。
自分の姿に何度、失望させられたことか。
それは数えてもきりが無いほど。
嗚呼・・・
きっと僕は、一生この闇の中に囚われたまま、朽ち果てていくのだろう。
漠然としたことを思ったとき――
ギイィィイッ
開くはずの無い、閉ざされていたはずの扉が・・・開いた。
体が勝手に動いて、開いた扉にいる“におい”に向かって走っていく。
嗚呼、駄目。
今にも噛み付きそうな僕に、“何か”が言った。
「・・・なんだ。“ただの”人狼か」
その言葉は僕を驚かせ・・・
それと同時に、その声の人物によって――
「・・・グルルッ」
僕は意識を奪われた。
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