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田舎に生まれました。
都会より遥かに多い自然に囲まれて育った俺だったのだが、特別優しいとか、特別荒んでるとか・・・そういった性格にはならなかった。
平々凡々の、何処にでもいる少年・・・という感じだった俺は、小中高、何の問題もなく過ごした。
集団就職で都会に出て、会社仲間との関係もそこそこに、俺はやっぱり何の問題もなく過ごしていた。
何の変化もない、そんな人生。
けど俺は、そんな自分の人生が気に入っていた。
普通で良いじゃないか。
折角持っている“普通”というスキルを自ら捨てたがるなんて、俺には考えられない。
本当に何の問題もなく、休暇期間がやってくると、故郷である田舎に戻ってきた。
久しぶりに見る家族の顔に、ほっとしたのが記憶に新しい。
・・・――そこからが、間違いの始まりだったとは知らなかった。
「○○さん。一緒に死んでください」
その言葉によって、俺の平凡は金属バッドで滅多打ちにされたようなものだ。
平凡は非凡に。
平和は戦争に。
そんな急展開についていけそうもない俺を見詰めているのは・・・
何の脈絡もなく、何故か突然狂ってしまった血の繋がって無い従兄弟の司郎君でした。
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