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「いいなぁ・・・」


宮田先生は求導師様を見てる。

そりゃもう、きっと一生懸命押さえてるんだろうけど、それでも滲み出ている憎悪に似た感情が、宮田先生から読み取れる。







僕は宮田先生が大好きだ。

狂おしい程愛しているのに、宮田先生の目に映るのは僕ではない。


憎悪の対象としてでも彼の視界に確実に映されている求導師様が羨ましくてたまらない。




「どうやったら、宮田先生に見てもらえるかな」




そうだ!

誰かに大怪我でもさせようか・・・


そして、僕が怪我させましたって笑いながら言うんだ。

どんな大怪我をさせよう。


内臓を全部潰してしまおうか。目玉をくりぬいて、その空洞に石を詰め込んでやろうか。


というか、誰に大怪我させようか。







やっぱり、求導師様かな?恋敵だし。ん?あっちは宮田先生をそういう目で見て無いから、僕の一方的な対抗心かな?


けど求導師様は村にとって大切な人だし、僕にも結構良くしてくれるし、大怪我させたら悪いかな?ふふ。僕にもまだ良心があるなんて吃驚!え?それは良心とは言えない?そんなのどうでも良いよ。



あ。けど駄目だなぁ・・・

誰かに大怪我させたら、宮田先生・・・患者さんの方ばっかり見ちゃう。


それは嫌。







じゃぁ、僕が大怪我しようかな?

けど、怪我してる間は自分から宮田先生に会いにいけないから嫌だなぁ。


やっぱり、求導師様みたいに宮田先生に憎まれないと、宮田先生は僕のこと見てくれないかな?




宮田先生に憎まれるには、どうすれば良いのかな?

先生に嫌がらせをすれば良いのかな?


フフッ。そんなことしたら、宮田先生、きっと怒っちゃうね。






宮田先生に僕を見て欲しい。

いっそのこと、僕だけしか見れないようにしてしまいたい。






「宮田先生、大好き」






小さく呟いて「えへへ・・・」と笑う。

口にすると、つい照れてしまう。


宮田先生が、たまらなく愛おし過ぎる。



この感情の捌け口が見つからないから、僕の中にはどろどろとまでしてきた愛情が、蓄積されている。

この感情を吐き出すとき、僕はどんな愛を叫ぶのか。



きっと、狂気にまみれたおぞましい言葉なのだろう。











「・・・貴方を愛してます。先生」


求導師様を見ている宮田先生を見詰めながら、僕は・・・嗤った。

嗚呼・・・

早く、




貴方の目に映るのが、僕だけになりますように。





憎悪でも良いの






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