「おはよう、セブルス(ぅ!!!今日も良い天気だね!)」
「おっ、おはよう・・・○○」
ほんのりと顔を赤く染めたセブルスに「やばい、朝からちょっとウザかった!?」と内心焦る○○。
セブルスが怒ってないかはらはらしながらも共に大広間へ行き、朝食を取る。
「今日の魔法薬学はペアらしい。○○っ、そ、その・・・」
「(はっ!ぺ、ペアだと?やばい、このままじゃ俺絶対にボッチになる・・・せっ、)セブルス(さん!いえ、セブルス様!)ペア、組む(なら是非とも俺とお願いしてもよろしいでしょうか)?」
○○の言葉にぱっと顔を上げたセブルスは「あ、あぁっ」と何度も頷く。
嬉しそうに頬を緩めるセブルスと内心大きくガッツポーズを取る○○。もちろん表面上は無表情だったが。
「○○、材料は僕が切るから、鍋の様子を見ておいてくれ」
「わかった(!任せとけ!)」
机の上に並んだ材料を手際よく刻んでいくセブルスの横で○○は鍋の様子を眺める。中に入った水がじわじわと沸騰していく。
「材料の準備が出来た。これから鍋に入れるから、○○は記録を・・・」
あっという間に材料を刻んだセブルスは鍋へと近づいていく。
後はこのまま順番通りに材料を投入し、混ぜるばかり。
それだけで今回の授業の課題は成功する。普段の授業に比べれば、単純な作業だ。
元々魔法薬学が得意なセブルスもそう思い、少々気を抜いていたのだろう。
「あっ」
セブルスが何かを踏み、その何かが潰れると同時にずるっと体勢を崩した。
誰かが材料の一つを床に落としたのだろう。やばいと思った時には、セブルスの手から材料が載った器が離れていた。
ぼちゃんっ!と軽い音。
何とかこけずに体勢を保ったセブルスだったが、その顔からサァッと血の気が引く。
ぐらぐらと煮えたぎった鍋、滅茶苦茶に投入された材料・・・湯は一気に大きなアブクを発し、爆発音を立てる。
沸騰した液体を被ってしまっては危険だ。だが突然のことでセブルスはその場から動くことが出来なかった。
出来た事は目を閉じることだけ――
「(おわぁぁぁあッ!!??!?)セブルス、危ない(よぉぉおおッ!!!!ちょっ、鍋いきなり暴発するとか怖っ!魔法薬学めっちゃ怖ッ!!!!)」
「ぁっ、○○・・・」
気付けば○○にぎゅっと抱きしめられ、中身が噴き出す鍋から守られたセブルス。
セブルスを庇ったせいで背中に熱湯を被ったらしい○○に教師が慌てて駆け寄り冷却魔法を掛けた。
速やかに処置が行われたことが良かったのだろう。その後医務室で改めて処置を受けたが、大した怪我にはならなかった。
「・・・すまない、○○」
明らかに落ち込んでいるセブルス。
「僕がもっと足元に注意しておけば・・・本当に、本当にすまない、○○」
今にも涙が零れ落ちそうな程、セブルスの目には涙の膜が張られていた。
○○はそんなセブルスの顔を見て「いや」と首を振る。そして、セブルスの頭にぽんっと手を置く。
「(あ、いやいや、こんな俺よりも)セブルスが無事で良かった(よ!たぶん俺が怪我しても誰も)心配した(りしないだろうけど!あ、自分で言ってて泣けてきた・・・)」
きゅぅぅうううんっ!!!!!
「○○っ、あ、有難う・・・」
高鳴る胸を抑えながらお礼を言うセブルスに、○○はにこっと笑った。
セブルスはうっとりとその笑顔を見つめていた。
彼とあの子の日常
そして今日も好感度が鰻登りしていく。
あとがき
付き合ってても付き合ってなくても、セブルスがアス君にめろめろなのは変わりませんね。←
・・・セブルスだったら、アス君がチキンでヘタレだと知っても、めろめろなままでいてくれる気がします。