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※我が家の『魔人が待つ場所』主と黒子さん家の子のコラボ

「」→ルピナ
『』→朔夜





『…どこだ此処?』

「ん…?どうやら先客が居たようだね」

『!!…あんたは?』

「人に名を聞く時は自分から名乗るのが礼儀じゃないかな…?まぁ…私は"人"と呼べるかは分からないけど」

『俺は朔夜。あんたは?』

「フフフ…私はルピナ、先程言ったようだけど"人"ではないよ」

『成る程。そんな気はしていたけど…。』

「!!ほぉ…私を人外と見抜く人間は珍しい」

『俺が鋭いだけだと思うけど…?多分常人だったら気付かない』

「こんな不思議な空間に入れられたけど、なかなか面白い人間に会えたから良しとしようかな」

『俺も珍しいモノが見れたから良しとしようかな。』

「私を初対面でモノ扱いする人間も君が初めてだよ」

『俺は結構色んなのに会うからそんなに不思議には感じないかな。』

「へぇー…興味深いね。丁度いい、この空間に入れられてから退屈してたんだ。少し私と話さないかい?」

『奇遇だね俺も同じ事を言おうとしてた所だよ。良いよ俺で良ければいくらでも。』





『へぇーじゃあルピナはずっと封印されてたんだ…?』

「まぁね、でもセブルスが封印を解いてくれてね」

『セブルス?』

「うん、今では私の大切な存在なんだ」

『恋人って事…?』

「まぁ…そんなとこかな」

『羨ましいな…。』

「?何がだい?」

『ルピナが。』

「私が?何故?」

『んー…何て言うか愛されてるなーって。』

「朔夜は?」

『何か良く分かんなくて。』

「朔夜は…きっと愛されて生まれてきたと私は思うよ?」

『何で?』

「これは私の憶測だけど、朔夜はきっと愛されてそして人を愛す存在なんだと思う」

『何でそう思うの?』

「先程朔夜は色々なのに会うと言ったね?」

『うん。』

「その人達は朔夜にとって大切な存在では無いのかな?朔夜はその人達に愛されて無いのかな?」

『!?ルピナ…。』

「違うかい…?」

『…嫌、違わない。大切だよ、皆俺の大切な存在。ルピナ、有難う。』

「私は思った事を言っただけだよ」

『ルピナはやっぱり優しい心を持ってる。』

「優しい、心?」

『うん。だからセブルスって子にも分かったんだよ。ルピナが人に害する魔人じゃないって。』

「朔夜…君も優しい心を持ってるよ。大丈夫、朔夜には幸せな未来があるよ?」

『ルピナにも、きっと幸せな未来があるよ。』

「!!…どうやら、時間のようだね」

『あぁ、そうみたいだ。』

「朔夜に会えて良かったよ」

『俺もルピナに会えて良かった。』

「いつか、また会いたいな」

『そうだね。今度はセブルスって子にも会ってみたいな。』

「惚れないでよ?」

『さぁ?俺、結構ストライクゾーン広いから。』

「朔夜とは良き友で居たいな?」

『俺もだよ。安心して良いよ。いくらタイプでも人の恋人奪う程飢えて無いからさ。』

「なら、良かった」

『またね?』

「うん。またね」









※ここからはそれぞれの視点で書きます。








『ん…?此処は、俺の部屋?』

俺はあの後光に包まれて意識を失った。あれからどれ程経ったのか俺には理解出来ない。

『取り敢えず、何か飲もう。』

俺はキッチンへ向かった。

―ゴクゴク

『…ふう。』

俺は水を一気に飲み干してもう一度寝室へ戻って行った。





『ん…?』

俺は枕元のテーブルの上に見覚えの無い包みを見つけた。

『こんなのあったかな…ッ!!』

俺は包みと一緒に置いてあった手紙の差出人を見た。

『これは…―。』

差出人の名は―。










ルピナだった。

『フッ…やってくれたよ。』

包みの中身はグリーンの石を目にはめ込んだ狼をモチーフにしたシルバーリングだった。リングの内側には―。

『"信愛なる友へ幸福を"か…。』

と刻まれてあった。

『ルピナは無事に帰れたかな…。』


朔夜視点終了―。











「ん…どうやら戻って来れたようだね」

私は見慣れた部屋を見渡しながら言った。

―バンッ!!

「!!?ルピナ!!」

セブルスが顔を真っ青にして部屋に入って来た。

「セブルス?どうしたんだいそんなに慌てて」

「慌てずに居られるわけ無いだろ!!急に居なくなったと思えば急に戻って来て」

「ごめんね?心配をかけてしまったね」

「心配、したんだぞ」

セブルスの目には涙が溜まっていて今にも溢れそうだった。

「ごめんね、セブルス。有難う心配してくれて」

私はセブルスを優しく抱き締めながらなだめるように囁いた。

「ッ…もう二度と、僕の前から消えるな」

「うん。それを君が望むなら」

私は先程よりも少し強くセブルスを抱き締めた。







「落ち着いたかい…?」

「…ぅ、ん。」

私が優しく問いかけるとセブルスは小さくうなずきながら言った。

「良かった…。」

「ルピナ…。」

「うん…?」

「今までどこに居たんだ?城中探しても見つからないから…」

「それは―。」

「それは…?」

「フフ…少し友人に会いにね」

「友人?」

「うん。遠い所に住む奇妙な友人に、ね」

「?」

セブルスは不思議そうに首を傾げた。

「そうだね…セブルスにその友人の話をしようか」

私はセブルスに昔話を読み聞かせるように語った。






―END―


あとがき(という名のお礼書き)




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