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「っ、くるなっ…」

『逃げんなよー。寂しいじゃん?』

ズリズリと尻餅をついた状態で後ずさる男を舌舐めずりをしてにこりと不気味な笑顔で見下しジリジリとにじりよる男
後ずさった後ろには壁
男は恐怖と焦りの混じった表情とそれとは裏腹な強気な態度
喉はゴクリと音をならしカラカラな口内を潤すために唾を飲み込んだ

ゴツリと靴と靴がぶつかり音がなる
そんな些細な音にも追い詰められた男はピクリと肩を震わせる














ことの発端は数時間前
本当に些細なことであった───

ガシャンッといくつものガラス物が壊れる音がアスファルトで固められた冷たい空間に響き渡る
セブルスの足元の床に散らばる高そうなアンティークのカップやソーサー、ティーポット、ワイングラス
手を滑らせ棚から落としてしまったセブルスは唖然とした表情で割れてしまったティーセットとワイングラス等を見詰めている
すると表情は次第に恐怖の色に染まり体はカタカタと震え始めもともと色白な肌は青白くなる
胸元にあった右手は口にあてひゅと息を飲む

小さく「ぁ、ぁ、」と声を漏らしながら持ち主に見つかってしまったらどうしようなどと考えていた
だが、そんな願い虚しく後ろからカツリとアスファルトを靴のヒールが蹴る音と恐ろしい程の殺気がビシビシと背中に突き刺さる

『何をしてるの?』

後ろから聞こえた地を這うような低く深みのある声に小さく悲鳴を上げたセブルスはビクリと肩を震わせ先程よりも更にガタガタと体は震え始めた
恐怖が体を支配し動けないセブルスには後ろから徐々に近づいてくる足音は耳元で聞こえているかのように響いた
次第に自分を包み込む頭二つ分の身長差をもつ相手の影
左肩にするりと撫でるように置かれた手は徐々に首筋を撫で上げる

『せぶるす?』

右耳のすぐ近くで囁かれ吐息と声に背筋が凍る感覚がセブルスを襲う
ナマエはセブルスの肩越しに割れた自分の趣味で集めていた物を視界に入れる
『あーぁ』と小さく言葉を漏らしてセブルスを後ろから抱き上げ少し距離のあるベッドの近くへと降ろした
セブルスは抱き上げられたことにビクリと反応し恐怖に支配された体を無理矢理に動かして落ちないようナマエの腕へしがみついた

腕からセブルスを解放したナマエはチラリと後ろに散らばる物を視界に入れて笑みを浮かべながらセブルスを見る
その表情に膝が震えガクリと尻餅をついたセブルスは消えていた恐怖の表情に逆戻りした

『俺の大切なティーセットとワイングラスがなぜ割れてるの?』

「っ、くるなっ…」

『逃げんなよー。寂しいじゃん?』

ズリズリと尻餅をついた状態で後ずさるセブルスを舌舐めずりをしてにこりと不気味な笑顔で見下しジリジリとにじりよるナマエ
後ずさった後ろには壁
セブルスは恐怖と焦りの混じった表情とそれとは裏腹な少し強気な態度
喉はゴクリと音をならしカラカラな口内を潤すために唾を飲み込んだ

ゴツリと靴と靴がぶつかり音がなる
そんな些細な音にも追い詰められたセブルスはピクリと肩を震わせる
とたんに溢れだしそうなほど目に溜まっていた涙はボロボロと効果音がつきそうなほど勢いよく溢れだした

『あら?』

「ふぇ、ごめ、なさいっ」

いきなり泣き出したセブルス
ナマエはいきなりのことに呆気にとられ張り付けていた笑みを崩すと膝を抱え泣きながら謝るセブルスの目の前にしゃがみこみ指で優しく涙をぬぐった
スルリと頬を撫でる指の優しさといつの間にか優しい微笑みに変わったナマエに安心したセブルスの涙は次第に止まってゆく

『魔法でなおせるから別に怒ってないのに』

クスリと笑ながら頬を撫でていた手をセブルスの頭にのせ何度も撫でた
「ぁ、」と小さく声を漏らしたセブルスは今魔法の存在を思い出したらしく一瞬表情は固まり次第に頬は羞恥で赤く染まった

『今思い出したの?』

「ぅ、うるさいっ!」

真っ赤な顔で慌てて言葉を繋ぐセブルスに愛しさを感じるナマエは口元が緩むのを隠すさずに頭をなで続ける





恐怖に怯えるセブルスの表情を思い出したナマエが声を上げて笑うのと「ばかナマエ!」と恥ずかしさをまぎらわすためのセブルスの怒鳴り声が部屋に響き渡るのはこの数分後


お礼書き




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