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「#エロ」のBL小説を読む
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特に興味もない新聞の芸能欄を読み進める。


興味が無くとも、仕事では何かと客と喋る機会が多く、ネタは多いに越したことはないのだ。

あぁ、あの女優はまた離婚したのか。あの俳優は今度あのドラマに出るのか。





「ん・・・?」

ふいに背中にずっしりと重みを感じて新聞から視線をずらせば、霊幻が私の肩に顔を埋めていた。


「名前〜・・・」

「霊幻、読みにくいよ」


ぽんぽんっと頭を撫でながら言えば、霊現はイヤイヤと首を振った。




「つまんねー記事読むぐらいだったら、俺に構えよ」

「つまらないけど、仕事には必要だろう?マッサージ中は出来るだけ客と会話しなくちゃいけないし」

「除霊だ」

「あぁ、はいはい。除霊ね」



別にマッサージ屋でも良いと思うんだけどねぇ。霊幻上手いし。

そんなことを思っていると、何時の間にか私の正面に回ってきていた霊幻が私の手から新聞を奪い去り、どすっと私の膝に私と向きあうように座った。


奪われた新聞はそのまま床に落ちていく。






「霊幻は我が儘だな」

「手のかかる子程可愛いだろ?」


あぁまったく・・・



「その通りだね」

ぎゅっと霊幻を抱き締めれば、霊幻は満足そうに笑って私の頬に自分の頬を摺り寄せた。






「なぁ、キス」

「はいはい」


ちゅっと頬にすれば、霊幻は「違う、こっち」と言いながら両手で私の頬を挟み込み、私の唇にキスを落とした。

そのまま悪戯に舌を絡めてくる霊幻に苦笑を浮かべつつ、私もそれに応える。



「なぁー、このまま・・・」

「それは駄目だよ。モブ君だって来るんだから」


「ちぇーっ」

拗ねたような顔をする霊幻がするっと私の首に腕を回し、腰をゆらっと動かす。




「誘っても駄目」

「・・・ちっ」

幾ら霊幻が熱っぽい顔をしたって、幾ら霊幻が魅力的だからしても、子供にそんなアブナイものを見せるつもりはない。


拗ねたような顔のままの霊幻を少し強めに抱き締めて、その耳元で「今夜まで、我慢」と囁けば、霊幻の機嫌はすぐに良くなった。

あぁ、単純。でも可愛い。





結局のところ彼も同じ







「名前、夜まで我慢するから、もっとキス」

「まったく・・・」


しょうがないなとか言いつつも、案外私もノリノリなのには・・・どうか目を瞑って貰おう。




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