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好きだと言ったのはロキだった。

愛してると言ったのはロキだった。

傍に居たいと言ったのはロキだった。

付き合おうと言ったのはロキだった。






ロキの目に愛しい人の背中が映った。


黙って近づき、そっと後ろから抱き付く。

○○は何も言わない。ただ、視線だけちらりとロキに寄越した。


ロキは自分より高い位置にある○○の顔を見上げ、ふふっと小さく笑う。






「○○、相変わらずお前の背中は頼もしいな」


「・・・ふんっ」

返事はたったそれだけ。一応これでも恋人同士なのだ。




「○○、今日はお前も暇だったろう?たまには二人でゆっくりとしないか」

「・・・・・・」


無言。




「○○、頼む。私は、○○と二人で一緒に居たいんだ」

ロキが甘える様に背中に頬を寄せて、○○は小さく「勝手にしろ」と言う。




そんな素っ気ない返事なのに、ロキの顔に笑みが浮かぶ。

何故って?○○が自分を突き放さないからだ。


ロキはわかってる。○○が自分を突き放したりしないことを。

分かっているのだ。○○が自分を愛しているということを。




口下手なのだ。素直じゃないのだ。

本当はロキを甘やかしたい。全力で愛したい。そう思っているのに、元々の無愛想さが邪魔をする。

だから代わりにロキが言うのだ。代わりにロキが行動するのだ。






背中からするりと前に回り、ぎゅっと抱き付く。

少しだけ眉を寄せた○○に「甘えさせてくれ」と言えば、少し眉の皺が減る。


調子に乗って唇にキスをしたって、○○は鬱陶しそうにすれど拒否の台詞を口にすることはないのだ。






「○○、私は○○の全てを愛してる。○○はどうだ?」


そんなこと聞いたって、○○は何も返事をしない。

ロキは「まぁ、少し聞いてみただけだ」と言いながら強く○○に抱き付く。




はっきり良い返事が返ってこないのは何時もの事。



ロキが好きだと言えば黙って頷いた。

ロキが愛していると言えば少しだけ傍に寄った。

ロキが傍に居たいと言えば何時だって傍にいた。

ロキが付き合おうと言えば、黙って受け入れた。



それだけで答えなんてわかりきっているじゃないか。○○はロキを愛してるのだ。

どんなに無愛想で口下手で素直じゃなくたって、ロキには全部わかってる。わかってるからこそ、全てをすんなり受け入れられる。わかっているからこそ・・・







「・・・まぁ、お前の黒髪は、嫌いじゃない」



「その言葉が聞けただけで、今は十分だ」

ほんの些細な言葉が、大きな幸福と成り得るのだ。







最愛で最大の理解者





「・・・嘘だ。嫌いじゃないのは、黒髪だけじゃない」


素直じゃない恋人は、小さく小さく「・・・好きだ」と言った。

その言葉に、ロキは笑う。幸せそうに。



あとがき

あぁぁぁあッ、ごめんなさい申し訳ないです。
異音、アベンジャーズ見てないんですごめんなさい。
知らないせいでロキさんが変なことに、付け焼刃感が満載なんですごめんなさい。
折角リクエスト頂いたのにこんな結果になってしまったことが本当に悔やまれますごめんなさい。



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