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「それで、皆でお鍋を食べたんですけど、白子って食べ物があって・・・」

「あぁ、僕ソレ知ってる。魚の精巣なんだってね」

「はい。それ知って、吐いちゃって・・・」

「あははは!繊細だなぁ、エヴァは!」




訓練の後、同じ班の子達と様々な話題で笑い合う。

恥ずかしそうにはにかむ彼女に僕もくすっと笑った。


最近五班に入ったエヴァは良い子で、イザベラも交えた三人での会話はとても弾む。




「あぁ、そうそう。鍋と言えば、この間キムチ鍋ってヤツを食べたんだけど――」





「○○」





「ぁっ・・・」

突然自分の名を呼ばれ、中途半端に話が途切れる。

振り返ればそこにいたのは我らが五班の班長であるアドルフさん。




「・・・今、良いか」

静かな問いかけ。僕はちらりと二人を見る。二人はこくっと頷いた。




「ごめん、二人共。また後で」

「うん。またね○○」


「また後でなー」

二人に軽く手を振り、アドルフさんに付いていく。





無言のアドルフさん。

その後ろを付いていけば、たどり着いたのは彼が使う個室の扉の前だった。


扉を開け、無言のまま中へ入れと促すアドルフさん。



僕は「失礼します」と言いながら中へ・・・





「○○・・・」

部屋に入った瞬間、ぎゅぅっと抱き締められる。


僕は「扉、ちゃんと閉めてからにしてください」と苦笑を浮かべつつ、後ろ手に扉を閉めた。





僕を抱き締め・・・いや、どちらかと言えば抱き付いているアドルフさんの顔を見る。

何処か寂しそうな顔のアドルフさんの姿に、僕は眉を下げた。





「僕がエヴァ達と喋ってたの見て、寂しくなっちゃいましたか?」


頭をよしよしと撫でるとアドルフさんが小さく頷いた。



困った人。そう呟きながら頬を撫でる。

普段は顔を隠す邪魔な襟を退け、きゅっと閉じられた唇にそっとキスをした。





「・・・○○」

「はい。此処にいますよ」



アドルフさんは僕の恋人だ。それを知っている人はおそらく誰も・・・いや、誰かは気付いてるかな。例えば、小町さんとか。


まぁそれはさておき、恋人のアドルフさんは酷く寂しがり屋だ。

人前で甘えない分、一度人の目が無くなればここぞとばかりに僕に甘えてくる。




今日はちょっと我慢が出来なかったようで、強制的に二人きりの時間を作ったらしい。






「○○、好きだ」

「はい。僕も大好きです」



「・・・愛してる」

「僕も、アドルフさんのこと凄く愛してます」


すりっと頬擦りをしてくるアドルフさんの髪を梳く様に撫でる。




「座りましょうか、アドルフさん」

「・・・ん」


立ちっぱなしの訳にもいかないから、少し奥にあるソファへ行こうとアドルフさんを誘導した。



ソファに座るなり、僕の膝の上に乗っかってくるアドルフさん。まぁそんなに重くは無いから文句は言わない。

正面から抱き付いてくるアドルフさんは相当寂しかったようだ。ただちょっとエヴァ達と話してただけなんだけどなぁ・・・






「○○、○○・・・」

「はいはい。キスしましょうね」


こういうアドルフさんの僕に対する依存は日に日に増していっている気がする。



原因は日々のストレスなのか何なのか・・・

まぁ甘えられることは苦ではないし、依存されるならされるで別に構わない。


アドルフさんと深い口付けを交わしながら、アドルフさんってばほんと僕の事大好きだよなぁとしみじみ思う。






「○○・・・一緒に、一緒にいてくれ・・・傍にずっと。好きなんだ、○○」

「知ってますよ。僕もアドルフさんのこと大好きだから。ずっと一緒にいましょうね」



約束ですよ、と言えばアドルフさんが笑った。

ふにゃりと、蕩けてしまいそうな笑顔だ。

人前ではこんな顔しない。だから僕だけの特権。



ふにゃふにゃのアドルフさんを抱き締めて頬に自分の頬を摺り寄せる。そうすればアドルフさんは幸せそうに幸せそうに笑うんだ。

好き大好き愛してるを繰り返し口にしながら甘えてくるアドルフさんを全力で甘やかしながら思う。



まぁ僕も人のこと言えないぐらい、アドルフさんに依存しまくってるんですけどね、と。







依存されつつ依存する






「好き。大好き。○○・・・もっとキスしてくれ」

あー、もぉ可愛いなぁ!大好き!



あとがき

アドルフさんに依存気味なぐらいベタ惚れされてる恋人主のお話でした。
あと、関係ない話なのですが・・・アドルフさんとエヴァちゃんとイザベラさんの可愛さは異常だと思います。三人そろえば、アイドルとして売り出せる気がします。←
リクエスト有難う御座いました!



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