「後は、医療忍術の新書を・・・」
「○○〜!」
俺の名を呼ぶ声と同時に背中に感じる軽い衝撃。
その正体にすぐ気付いた俺は「おー、オビト。どうかしたぁ?」と首だけ振り返った。
見れば、俺の背中に頬を寄せながら「へへっ!」と笑う同じチームのオビトの姿がそこにある。
「○○が見えたから、走ってきた」
「ふーん。カカシは?」
「先生のとこ!カカシなんかよりさ!あのさ、あのさ!これから、一緒に甘味屋に・・・」
「ごめんオビト。今から本屋に行くんだ。甘味屋にはいけないよ」
「えー・・・あ!じゃぁ、本屋の後!それまで、ついてくから!」
オビトが本屋?退屈じゃないかなぁ、と思いつつも「わかったぁ」と頷いた。
「なぁなぁ、何の本買うんだ?」
「医療忍術の新書が出てるって聞いたからねぇ。あ、此処だよ」
本屋に入った瞬間、オビトが「へぇー」と周囲を見渡した。
初めて入ったわけでもあるまいし、と少し笑ってしまう。
「新書のコーナー見てくるから、好きに見ておいでよ」
「わかった!」
「店内では静かにね」
言ってる側から駆け出して行ったオビト。まぁ、注意は店の人がしてくれるだろう。
俺は真っ直ぐ新書のコーナーに向かい、目当ての本を探す。
「えーとぉ、どれかな・・・あぁ、あったあった」
目当ての本はすぐに見つかり、それを手に取った。
「あったか?」
そもそも本をあまり読まないオビトは欲しい本が見つからなかったのだろう。すぐに戻ってきたオビトからの問いに「うん。あったよ」と頷いた。
「うっわ、分厚いな、ソレ」
「詳しく書かれてるんだ。早く読みたいよ」
「勉強熱心だな、○○は」
「どっかの誰かさんが怪我ばかりするからねぇ・・・治療する方としては、いろいろ大変なんだよ」
「きっ、気を付ける!」
「はははっ、自覚があったんだ、オビト」
ぴしっと背筋と整えながら声を上げたオビトについ吹き出す。
オビトは「ぅー」と唸りながら肩を落とす。まぁ・・・
「それだけ、オビトが一生懸命ってことなんだから、怒ってはいないよ。でも、心配なんだ」
「○○・・・!」
何やら感動したように目を輝かせたオビト。おや、ちょっと嫌な予感・・・
「○○〜!!!愛してる!もう結婚して!!!!」
「こらこらオビト、店内で大声出さない」
「注意点が微妙にずれてるところも愛してる!!!!」
抱きついて来たオビトを受け入れつつ、店の人の目に苦笑を浮かべた。
本も無事に会計を済ませ店の外に出ると、にこにことした笑みを浮かべたオビトが「じゃ、甘味屋に行こうぜ!」と俺の手を握った。
「うん、行こっか」
ぎゅっと握り返せば、オビトが「やっぱ結婚して!」と大声を上げた。
近所迷惑プロポーズ
「近所迷惑だから、静かにしなさい」
「注意点が可笑しい!けど拒否しない○○愛してる!」
あとがき
お、オビトさんの、オビトさんのキャラが掴めてないんです。本当にすみません。
・・・い、一応、リン成代り主にめろめろなオビトさんでした。
残念な仕上がりで本当に申し訳ないです(滝汗)