「ん?君、バスケすんの?じゃぁ、俺と1on1でもする?」
僕が帝光のバスケに疑問を感じ始めた頃、僕はある一人の人と出会いました。
何気なく一人で立ち寄ったストバスにいた彼。
彼のあまりにも綺麗なシュートを見つめていた僕に気付くと、彼は笑って言いました。
突然の言葉に「ぇっ」と声を上げる僕に「良いから良いから」と笑って手招きをする彼。
ボールを手渡されて「さ、やろっか」なんて言う彼の笑顔はとても眩しかった。
1on1の結果は言わずもがな僕の惨敗。でも、嫌な気持ちはしなかったんです。だって・・・
「やっぱ、バスケって楽しいなぁ!」
彼があまりにも、楽しそうにバスケをしていたから。
笑顔で笑う彼に、その時の僕は・・・
確実に心を掴まれていたんだと思います。
息切れして、その場に座り込んでいた僕に手を差し伸べ「楽しかった、ありがとな」と笑う彼に、僕も少し笑ってしまった。
あぁ、これだ。やっぱり、バスケは楽しいものなんだ・・・
彼は僕に、それを教えてくれた人だった。
「だから○○君とまた会えて嬉しいです」
「ぉーう・・・何だかそんな真顔で言われると恥ずかしいんだけど」
目の前で照れた表情で頬を掻く○○君。
同い年ということは知ってましたけど、まさか高校で再会できるなんて・・・
「これって、もう運命だと思うんです」
「え、あぁうん。そうかもね」
「正直僕、あの後後悔してたんです。何で連絡先を交換しなかったんだろうって。名前だけじゃ探しようがなかったですから。でもこうして、同じ高校で同じ部活に入れてとても嬉しいです」
「えっ」
「え?」
あれ?何でそんなに驚いた顔してるんですか?
僕から目を逸らして「あー」とか「ぇーっと」とか口返し口にして、一体・・・
「高校では、テニスやろうかなって・・・思ってるんだけど」
「・・・はい?」
「元々球技全般が好きなんだ。中学ではバスケやってたから、今度はテニスに手を出してみようかと・・・」
「・・・・・・」
何ですって?
つまり、こういうことですか?
「折角一緒の高校になったのに、君と一緒にバスケ出来ないってことですか?」
「まぁ、うん」
そんなの・・・
「駄目です」
「いや、駄目って・・・」
「一緒に来てください。大丈夫です、テニスより面白いですよバスケ」
「うん。テニスしてる人に謝ろうか、テツヤ君」
「名前呼んでくれて嬉しいです。結婚しましょう」
「落ち着こうかテツヤ君。君、今たぶん混乱してる」
○○君の手を掴んで歩く。
後ろで○○君がなんか言ってるけど気にしません。
「○○君とバスケ出来ないとかマジないわ」
「テツヤ君、落ち着こうか」
「だって嫌ですもん。○○君とバスケ出来ないんだったら、テニス部にいちゃもん付けてきます。○○君、僕と一緒にバスケしましょう」
ねぇお願いします、お願いします。と言えば、○○君は迷った顔をした。
あ、この人結構押しに弱いタイプだ。
「一生のお願いです。○○君、バスケ部に入ってください」
「テニス・・・」
「同じ球技じゃないですか。ね、やりましょう」
「・・・テツヤ君って、結構強引だよね」
そういう君は、結構押しに弱いですよね。
もちろん思ったことは言わずに「どうかお願いします」と言えば・・・
彼は渋々と言った風に頷いた。
・・・よっしゃ。
テニスしてる人ごめんなさい
反省はしてます。後悔はしてません。
あとがき
テニプリか黒子、との事だったので・・・
名前だけでもテニスを出してみました。←
テニスやってる人、本当にすみません。テニスも好きです、すみません。