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はいはいもう無理。




こんばんは。

早速ですが、恭也と逸れました。


「・・・ちくしょぉッ」


今日は、森で自殺した幽霊とやらが出るらしいスポットに強制連行された俺は、モノの見事に恭也と逸れてしまいました。


道という道がない場所で一人取り残される俺の気持ちを考えてみろ!!!!!!!!

恭也は慣れているだろうが、俺は全然慣れないんだ!!!!!!!


気付けば独りぼっちだった時の絶望感が貴様にわかるのか!!!!!!!!!!!








「恭也ぁ・・・」


情けなく恋人の名前を呼びながら、森の中を彷徨う俺。



今のところ、幽霊には遭遇していない。

今回は、デマだと信じたい。


そうじゃないと俺が死ぬ!!!!!!!





「・・・・・・」


俺は笑顔で硬直した。


わぁ☆目の前には幽霊が沢山いるよー。





・・・・・・。





はいはいもう無理。
ここでみんな仲良くUターンしないと、俺はこの場で校歌を熱唱しながら下半身を露出させる。
悪霊も逃げ出す狂いっぷりを披露する!




え?お前混乱してるだろって?

・・・当たり前だろッ!!!!!


目の前にこんなに沢山の幽霊(めっちゃ悪霊っぽい)が沢山いて、冷静でいられるわけがないだろう!!!!!!!!


恭也も、今回ばかりはわざと逸れたわけでもないっぽいし、俺に死ねと言っているのか!?




ほら見ろ!!!!!!!

顔色悪いし、目から血ぃ流してるし、めっちゃコッチに向かってきてるし!!!!!!!!!!!


絶賛混乱中☆の俺は、ガクガクッと震えながらズボンのベルトに手をかけようとしていた。←





だだだだだだだだだ、だってさ!!!!!!


下半身露出させて歌い狂って踊り狂えば、悪霊も引いて退散してくれるかもしれないだろ!?!!!!???!!??!?




え?無理だろって?




・・・そんなの俺が一番知ってるし、この野朗ぅぅぅぅうううううううううううッ!!!!!!!!!!!!








「ちくしょぉぉぉおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!!!」


まるで捨て台詞のようにそういって幽霊に背を向け全力疾走を始める俺。



嗚呼、怖い!!!!!!!!!!!

早く恭也と合流したい!!!!!!!!!!!





「――!」

「こ、この声は・・・」



物理的な意味でも、精神的な意味でも、光が見えた!!!!!!!



懐中電灯のものと思われる光と、恭也のものだと思われる微かな声。

その方向へと、俺は全力で走る。



背後にいたはずの幽霊は、何時の間にか消えたらしい。


ッ・・・こ、怖かった・・・









「やっと見つけた、○○」

笑顔で手を振ってる恭也に駆け寄り、ついギューッと抱きつく。



「こ、怖かった・・・」

「ははっ。怖がりだよな、○○って」


ちくしょぉッ。

お前が俺だったら、絶対そんなこと言えないんだからな!!!!!!!!!



心の中で思った言葉はぎりぎりで飲み込みつつ、俺は恭也に抱きつき続けた。








「あ。そういえばさっき『俺はこの場で校歌を熱唱しながら下半身を露出させる』って叫び声が聞こえたんだけど・・・したの?」


ピタッ



「・・・し、してねぇよ!!!!!!!!」


聞かれてた!!!!!!

やっべぇ、滅茶苦茶恥ずかしい!!!!!!!!








「そっか、よかった。してたら、別れようかって本気で考えてた」


「やめろ!!!!!!」






・・・今日一番ヒヤッとしたのは、恭也の言葉だった。






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