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メーデーメーデー、命の危機は既に脱していたはずなのに、現在進行形で命の危機。
親父の鉄拳から始まり、皆して俺をぼっこぼこにし始めたと思ったら――
「ひっぐ、ぅ・・・ばがや゛ろ゛お゛おぉぉおおっ」
「ぜっがぐ、がえ゛っで来だど、思っだの゛に゛ぃぃいいいっ」
・・・ぽかぽか俺を叩きながら泣いている兄弟たちを、俺は一体どうすれば良いのだろうか。
あぁ、ループ前だったらそんなの簡単だったはずなのに。
いや、そもそもループ前ならこんな状況にすらならないか。
おろおろするしかない俺。つい視線で親父に救援を求めるも、親父すら悲しそうな目をしているとはどういうことだ。
とりあえず俺は、俺の胸に顔をぐりぐりと押し当てながら泣いているエースからどうにかする必要がありそうだ。
「なぁ、エース。泣くな。別に今生の別れってわけでもないだろう」
「お゛前が降りる゛必要ねえ゛だろ゛おぉおっ」
こんなに泣きじゃくって・・・
「・・・なぁ、何でお前は船を降りたがるんだよい」
「・・・・・・」
マルコが真っ直ぐとした目で俺を見てる。親父もだ。皆も、涙を浮かべながらも真っ直ぐと俺を見てて・・・
「・・・俺、今もずっと能力発動してるんだ」
俺は観念したようにそう言って笑った。
何か月も何年もループし続けた俺は、既に限界が近づいていた。→戻る