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「・・・・・・」
俺は、また駄目だったのだろうか。
時間がまた、巻き戻ってる。
あぁきっと、エースは死んだのだろう。
今度はどうして死んだのだろう。正直、死んだ後のことは詳しくわからないから、解決策もわからない。
じゃぁどうすれば良い?もっとギリギリでエースを庇った方が良いのだろうか。
それとも、早々にエースを庇って、それで・・・
「リヒトっ、リヒト・・・」
・・・可笑しいな。
あれだけ嫌われるようにしたはずのエースが、俺に縋り付いて泣いている。
腹の傷口はもう塞がらない。この傷も、もう何度受けたことだろうか。
まぁ、そんなの数えるだけ無駄だから良いのだけど、それよりも・・・
「・・・早く、逃げてくれないか、エース・・・」
早くしないと他の海兵が来るじゃないか。
さっさと俺を置いて逃げてくれよ。
「嫌だッ、一緒に逃げるぞっ!!!」
「む、りだ・・・」
無理だ。無理に決まってる。
お前はそんなに頭が悪い子だったか?
この傷が生きられるわけないだろう。
もう頭がぼーっとする。
もうそろそろ死なせてはくれないだろうか。
早く逃げて。いっそ、もう俺なんか放っておいて・・・
「一緒に生きてくれよぉッ、リヒト――!!!!」
一緒に生きる?
・・・なぁに、それ?
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