×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -






立ち寄った島にあるジュエリーショップで、綺麗なペアリングを見つけた。


一目見て、自分の恋人が頭に浮かんだ。




けれどすぐに頭を振ってかき消す。


だって俺の恋人のクロコダイルには、左手は無いんだ。もちろん、薬指も。


こんなもの買ったところで、つけてはもらえないし、下手をすればクロコダイルに対して失礼だろう。




俺は小さく息をついて、別の場所をちらっと見た。







「ぁ・・・」


ソレを見た瞬間、俺はペアリングを見たときよりも心が明るくなるのを感じた。






「これを売ってくれ」

「かしこまりました」


即決購入。高くても問題ない。



綺麗な箱に入ったそれを手に、俺はクロコダイルのいるところへ戻った。











「遅いじゃねぇか。今まで何してやがった」




「ん。これ買いに言ってた」

クロコダイルに見せたのは、指輪が入っているような小さな箱。


それを見て、クロコダイルは軽く眉を寄せた。





「ソレは誰にやるつもりだ」

「クロコダイル」



「指輪か?それなら、手前の望むような場所にはつけてやれねぇぞ」


案の定、クロコダイルは苛立ったような顔をしたから、俺は慌てて首を振る。






「違う違う。指輪じゃない」

「・・・?」


俺が口元に笑みを浮かべ、そっとその場に傅いた。






「どうぞこれを受け取ってください」


まるでプロポーズのように言う俺から、クロコダイルはそっと箱を受け取る。



ぱかっと開けられた箱。






「ピアス・・・?」

中身を見たクロコダイルが小さく呟いた。





「っそ。これなら、クロコダイルも付けられる。片一方をクロコダイルにやるから、もう片一方を俺にくれよ」


笑顔で言えば、クロコダイルがフッと笑った気がした。






「つけろ」

「はいはい」


ゆっくり立ち上がり、ピアスの片一方をクロコダイルの耳に付けてやる。






「うん。やっぱり似合ってる」

満足そうに言う俺の耳に、クロコダイルがもう片一方のピアスを付けた。



俺が「おそろいだな」と笑えば、クロコダイルは「っは。そうだな」と言う。








「愛してるよー、クロコダイル」


「・・・フンッ・・・俺も、と言ってほしいのか?」





「さぁ?それはクロコダイルに任せるさ」

へらっと笑いながら言えば、クロコダイルにグイッと胸ぐらをつかまれ、引き寄せられた。






「・・・愛してる」

「ん。ありがと」



耳元で囁かれた言葉に、俺は満足そうに笑った。




ラブペア






戻る