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自室から出て、海を突き進んでいるこの船の上で青空を拝む。

うん。今日も洗濯日和だな。若干洗濯物が塩臭くなる可能性もあるけど。



女物やら男物やらの洗濯物がごちゃごちゃに入った洗濯籠を片手に俺はどんどん突き進む。



途中で見知った後姿を発見。

ちらりと見えた手元にはデカイダンベル。・・・にしてもデカイ。







「ぉ。ゾロ〜、筋トレかぁ?」


「・・・ナマエか」



くるっとこっちを振り向いたゾロの服は汗でビッショリ。

おい。その服、誰が洗濯すると思ってんだ。


俺は「毎日頑張るなぁ〜」と呟き、ゾロの近くの縄を張って洗濯物を干し始める。


ゾロはしばらくそんな俺を眺めた後、再び筋トレを始める。





眩しいばかりの太陽が、俺と洗濯物と、おまけにゾロを照らす。



正直に言おう。

・・・日光で汗がキラッと光ってるゾロが非常に暑苦しい。爽やかさの欠片も感じない。




俺はせっせと洗濯物を干した後、すぐさまその場を放れ・・・











「おい」



「あ?なん――ブッ!?」


ゾロの顔面に真っ白なタオルを投げ付けた。




「〜〜〜ッ!!!!!何しやがる」

ギロッとこっちを睨みつけてくるゾロに俺は素知らぬ顔で、




「暑苦しいんだよ。それに汗が乾いたら風邪引くぞ。そのタオルで拭いとけ」


「・・・・・・あぁ」



暑苦しい発言にゾロが軽く衝撃を受けているのを見つつ、俺はゾロの手に収まったままのダンベルを見る。






「おっもそぉー」


「お前も少しは鍛えたらどうだ」

「俺、戦闘要員じゃないんだよねぇー。あえて言うなら、洗濯要員?」





「ふんっ・・・馬鹿か」

あ。今ムカッとしたぞ。





「その馬鹿が毎日洗濯してる服を手前が着てるんだろうが。文句あるなら全裸で過ごせ」


「ばッ、ぜ、全裸はねぇだろ!」


若干慌てだすゾロを俺は鼻で笑う。





「そうだな。ナミちゃん辺りに海に捨てられるだろうな。ご愁傷さぁーん」

「・・・この野朗」



「ほら。俺って、儚げ系美男子目指してるから」


冗談っぽく笑って言えば、ゾロは「けっ」と笑って俺から顔を背ける。



干したばかりの洗濯物が、風に揺られている。

それを視界に捕らえつつ、俺はフッと笑って「それに・・・」と呟く。







「俺が戦わなくても、強ぉーい剣士様が敵をなぎ払ってくれちゃいますからねぇー?」


「・・・まぁな」




お?今照れたな。

意外に単純なゾロにニヤニヤッとする俺。



そんな俺を見て「な、何笑ってんだよ」とゾロが若干引いたような声を出す。






「んー?何でもないよー」


適当に返事をして、汗の拭わせたゾロの頬に指をツンッと刺し、ニッと笑う。











「信じてるよー。ゾロ。か弱い俺を守ってなぁ?」

「ふんっ。お前は能天気に洗濯物干しとけ」



「ははっ。そうさせてもらうよ」






お前や他の仲間達は、沢山の戦いで、沢山汚れてくるから・・・

沢山の苦しみを汚れを、背負うことになるだろうから、











「せめて、俺が綺麗にしてやるよ。手前等をな」











「何言ってんだ?」

「んー?独り言だぁー」





視界の洗濯物がやっぱり揺れていた。





真っ白な洗濯物






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