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ローさんが寝かせてくれません。



ぁ、いや、別に不純な意味ではなくて・・・





「ナマエ。聞いてくれ、今日はな――」


我等がキャプテンのローさんは、夜になれば何時も俺を自室へと招き入れ『今日の出来事』というヤツを俺に言ってくる。

今日はどんな医学書を読んでどう思ったのか、ベポと昼寝しててどんな夢を見たのか、とか・・・


喋り始めたらきりがなくて、眠たくなってうとうとしだす俺に「寝るな」と船長命令をし出す始末。




もう眠くて眠くて仕方ないのに、ローさんは喋ることを辞めない。





「ローさぁん・・・もう俺眠い・・・」

「仕方ねぇな。じゃぁ今日はベッドの中で良い」


「いや、そういうことじゃなくて――」



というか、何故俺がキャプテンであるはずのローさんのベッドの中へ?

そもそも俺がキャプテンのことを『ローさん』って呼ぶのだって抵抗があるのに!



じゃぁ何故そう呼んでるかって?船長命令だからだよ!!!!!!!

最初は「ローって呼べ」って言われたけど、全力でそこは抵抗して、何とか『ローさん』で収まったんだ。





「良いから来い」

「ぅっ、はい・・・」


俺はローさんに腕を引っ張られるがままにベッドの中へ引きずり込まれる。




ギュッ

「わっ、ろ、ローさん・・・」



何故か俺に抱きついて来るローさん。


顔を俺の胸元に擦り付けながら「それでな、その時ベポが――」と喋り始める。


いやいや、貴方はこの状況が可笑しいとは思わないのですか!!!!!

船長とクルー・・・というか、男と男!

何故こんなに密着してなきゃいけないんだ!?


いや、別に嫌悪とかがあるわけじゃないのだが、俺はどうすれば良いんだ!!!!!





「ナマエ、ちゃんと聞いてんのか?」

「も、もちろんです、ローさん」


俺の返事に「そうか」と言って再び話し始めるローさんに俺は少しだけ困る。




眠たいし、ローさんだって寝ないといけないと思うんだ。


だってこの酷い隈!寝てないのバレバレ!




という俺も、実はここ最近、ローさんのせいで隈が出来てたりする。


ベポから「わぁ!キャプテンとお揃い!」なんて言われたが、嬉しくない。不健康の象徴をお揃いだとは俺は認めない。






「ローさん」

「何だ、ナマエ」



「今日はもう寝ましょう。ね?」


「・・・・・・」



「ろ、ローさん?」




「・・・そんなに、俺の話を聞くのは嫌か」

「ぅっ」


何故だか物凄くしょんぼりした雰囲気を出すローさんに俺は焦る。






「そ、そんなことないです。ただ、眠たいなぁーって。もう夜中だし」


そんな風にしょんぼりされちゃ、そうとしか言えないだろう!





「それに・・・俺、心配してるんですよ?ローさんのこと」

「ナマエ?」


俺は自分に抱きついているローさんの背中に腕を回し、ほんの少しだけ抱き締めた。


そんな俺の行動にローさんは驚いたのか、ほんの少し目を見開いた。




「こんなに細くて・・・けど、ローさんは誰よりも戦闘で身体動かしてるし、心配なんです」



今抱き寄せている腰だって、少し力を入れたら折れちゃいそうな気さえする。

いや、実際には折れたりなんかしないのはわかってる。けど、それでも・・・







「ローさん・・・ねぇ、寝ましょう?」

もしもローさんが倒れたりなんかしたら、俺もだけど、クルー全員が悲しむ。


そりゃもう、シャチとベポは号泣するだろう。冗談抜きで。




「・・・条件がある」

「え?」


てっきり「俺に命令するな」とでも返ってくるかと思ったのに、意外な答えだ。






「何ですか?条件って」

俺に出来ることだろうか?と考える。




「・・・寝るときには・・・」

「はい」




「・・・ぃまみたいに、抱きしめとけ」




「ぇっ?」




今度は俺が目を見開く番だった。

まさかローさんの口からそんな言葉が出てくるなんて予想もできなかったからだ。


というか、え?抱きしめとけって・・・誰が誰を?




ぁ、俺がローさんをかぁー・・・






・・・って、えぇぇぇぇぇええええええええッ!?!!!?!??!







「・・・嫌なのか?」

「め、滅相も御座いません・・・!」


じっと俺を見てきたローさんに俺は慌てて返事をして、ぎゅーっと抱き締めた。

ローさんは小さく「ちょっと苦しい」と言いながらも、何処か楽しそうに笑った。






「・・・おやすみ、ローさん」


「あぁ・・・おやすみ、ナマエ」




俺の胸に顔を摺り寄せ、しばらくするとローさんの寝息が聞こえてきた。


寝入ったらベッドから抜け出そうと思ったのだが、ローさんは強く俺に抱きついたまま離れない。




こりゃ、出ようとしたらローさん起きるな、と思った俺は次第に自分にも眠気が襲ってきているのを感じた。


腕の中にいるローさんは温かく、瞼が重くなって・・・






「・・・ぉやすみ、ローさん」


最後にもう一度眠りの挨拶を呟き、俺は意識を手放した。














翌日、朝ご飯の時間だとローさんを起こしにやってきたシャチの絶叫が潜水艦の中にとどろくことになろうとは、その時の俺は知らない。






真夜中のお話




(うるせぇ)
(きゃ、キャプテンとナマエがっ、え?えぇ!?)
(・・・ROOM)
(ぎゃぁぁぁぁぁああああッ!!!!!!!)



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